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小児矯正の顎顔面矯正で「呼吸と睡眠」を整える。歯並びだけではない成長期の矯正の考え方

お子さまの歯並びを心配して歯科相談に来られる保護者の方の多くが、「見た目を整えるための矯正」と考えています。
しかし実は、歯並びの乱れは「呼吸」や「睡眠の質」にも深く関わっていることをご存じでしょうか。

顎の成長が十分でないと、上あごが狭くなり、鼻腔や気道も狭くなります。すると、鼻で呼吸しづらくなり、口呼吸が習慣化。結果としていびきや睡眠の浅さ、集中力の低下、成長ホルモンの分泌不足など、全身の発育にも影響が及ぶことがあります。

こうした課題に対して注目されているのが、小児矯正の「顎顔面矯正」です。
これらは単に歯並びを整えるだけでなく、顎や顔面の骨格を正しい方向に導き、「呼吸・睡眠の改善」につなげる治療。成長期の子どもにこそ大きな効果が期待できるアプローチです。

本記事では、「なぜ顎顔面矯正が睡眠・呼吸と関わるのか」から、「治療でどんな変化が得られるのか」「当院が行う専門的な取り組み」までを、分かりやすくご紹介します。

なぜ「小児矯正・顎顔面矯正」が「睡眠・呼吸」に関わるのか

お子さまの歯並びや噛み合わせの問題は、単に「見た目」だけではなく、実は「呼吸」や「睡眠の質」と深く関係しています。
なぜなら、顎の発育は“気道(空気の通り道)”の形や広さに直接影響するからです。

上顎・下顎の成長と気道の関係

上顎が狭いと鼻腔が圧迫され、鼻呼吸がしづらくなります。
また、下顎が後方に下がると舌が喉の奥へ落ち込み、睡眠時に気道を塞ぐ原因にもなります。
顎顔面矯正では成長期の骨格を正しい方向に導き、鼻腔や咽頭のスペースを確保し、呼吸の通り道を根本から整えることを目指します。

口呼吸がもたらす睡眠・呼吸への悪影響

口呼吸が続くと、いびきや睡眠時無呼吸症候群(SAS)を引き起こすリスクが高まります。
さらに口腔の乾燥・炎症・歯列の乱れ・集中力の低下など、睡眠の質と全身発育の双方に悪影響を与えることが知られています。

鼻呼吸を確立することのメリット

鼻呼吸は空気を加湿・加温し、フィルター機能でウイルスを防ぎます。
また、深い呼吸を促し自律神経を整えるため、睡眠の質・集中力・免疫力を向上させます。
顎顔面矯正では上顎の拡大により鼻腔を広げ、自然な鼻呼吸へと導きます。

「顎顔面矯正」で可能になること

顎顔面矯正は、歯列だけでなく顎骨・顔面・気道の発育を正しい方向に導く治療です。
成長期に行うことで、歯列を広げるだけでなく呼吸の改善や姿勢の安定など、全身的な効果も期待できます。

顎骨・歯列基盤を整える治療(上顎急速拡大装置など)

代表的なのが上顎急速拡大装置(RPE)です。
歯列の幅を広げるだけでなく、鼻腔の容積を拡大し、鼻呼吸の改善につなげます。
数週間〜数か月の使用で効果が得られ、痛みも少なく、短期間で成果が出やすいのが特徴です。

口腔筋機能療法(MFT)・習慣改善の併用

装置だけでなく、舌や唇の筋肉を整えるMFT(口腔筋機能療法)を併用します。
舌を正しい位置に保つ・鼻呼吸を習慣化する・正しい嚥下を身につけるなど、後戻りを防ぐための筋トレーニングです。

成長期を活かした早期治療のポイント

理想的な開始時期は5〜7歳ごろ
成長期に骨の柔軟性を活かすことで、痛みが少なく自然な骨格改善が可能です。
「口が開きがち」「いびきをかく」といったサインがあれば、早めの相談が重要です。

「睡眠・呼吸改善」に向けて期待できる効果

顎顔面矯正は、呼吸を整えることで睡眠の質を高め、全身の発育をサポートします。

いびき・睡眠時無呼吸(SAS/OSA)への影響

上顎や下顎を拡大・前方誘導することで気道を広げ、いびきや無呼吸の軽減が期待できます。
研究でも、治療後に無呼吸指数(AHI)が低下した例が報告されています。

全身の健康・発育・生活習慣病リスク軽減との関係

呼吸と睡眠が整うと、成長ホルモンの分泌・代謝・免疫力が向上します。
浅い睡眠が続くことで起こる発育遅延や肥満リスクも低減し、健康的な成長を促します

矯正後の口元・顔立ち・姿勢など「見た目+機能」の両立

顎顔面矯正は顔立ちのバランス改善にもつながります。
顎の位置が整うことで口元が自然になり、呼吸改善とともに姿勢や表情も安定します。

当院が提供する顎顔面矯正

当院では、「呼吸」「筋機能」「生活習慣」までを含めた総合的な顎顔面矯正を実践しています。

初診・検査段階での呼吸・睡眠チェック

歯列だけでなく、呼吸や睡眠の状態を多角的に検査・診察していきます
CT・セファログラム・問診などにより、気道の狭窄や鼻呼吸のしやすさを評価します。

治療計画とご家庭での生活指導(呼吸・舌・姿勢・習慣)

MFT(舌・唇の筋トレ)、鼻呼吸トレーニング、食事・睡眠姿勢など、ご家庭でできるサポート法も丁寧に指導します。
保護者向けアドバイスや動画教材などもご用意しています。

治療期間・装置の種類・アフターケア/フォローアップ体制

治療期間は約2〜3年が目安。
上顎拡大装置・機能的マウスピース矯正装置などを使います。
生え変わりの時期も定期的にチェックを行い、長期的に健康な状態を維持を目指します。

治療を考える際の「よくある疑問と注意点」

痛み・装置になじむまでの期間

装置は骨の成長をやさしく誘導する構造のため、痛みはワイヤー矯正など比較すると非常に少ないです。
1~2週間ほどで慣れるケースが多いです。

治療開始時期/適齢期を逃さないために

理想の開始時期は5〜7歳ごろ
顎の柔軟性が高く、抜歯せずにスペース確保・呼吸改善が可能です。
思春期以降では外科的治療が必要になることもあるため、早期相談が重要です。

矯正治療だけでなく、医科・耳鼻科との連携が必要なケース

アデノイド肥大・扁桃肥大・慢性鼻炎がある場合は、耳鼻科と連携して治療を進めます。
医科との連携により、歯並び・呼吸・睡眠の三方向からの改善を目指します。

まとめ:小児矯正・顎顔面矯正で「呼吸」と「睡眠」を整えるという選択

お子さまの歯並びの乱れは、呼吸や睡眠の質にも影響します。
顎顔面矯正によって骨格と気道を整えることで、鼻呼吸を取り戻し、睡眠の質を改善できます。

顎顔面矯正は、単なる歯列矯正ではなく、「健やかな成長を支える医療」です。
当院では、呼吸・筋機能・生活習慣を含めた包括的アプローチを行い、
装置治療後もフォローアップを通じて「呼吸しやすい身体づくり」をサポートしています。

お子さまの「息づかい」から未来を変える第一歩を

「口呼吸」「いびき」「寝相」「歯の重なり」など、気になるサインがあれば、まずはご相談ください。
歯並び相談では、呼吸・睡眠の状態を確認し、お子さまに最適な治療プランをご提案します。

安心して呼吸し、ぐっすり眠れる毎日へ。
顎顔面矯正が、その第一歩となることを願っています。

【執筆・監修者】

たむら歯科・こども矯正歯科 院長

田村 光正 (歯科医師)

滋賀医科大学精神科 客員

睡眠歯科学会会員・顎咬合学会会員

口育士

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