今回は、こどもの歯並びに大きく影響する、顔の成長を促すために大切な舌の位置についてお話させていただきます!
毎日、お母さんからお子さんの歯並びついての相談をお受けします。
その歯並びの乱れには様々な原因があります。
【歯並びが乱れる原因】
①歯が原因:サイズ・傾き
②顎が原因:上あごや下あごの成長不足・成長しすぎ
③ ①+②の複合型
特に②の上あごの成長不足が近年非常に増えています。
【上あごが成長不足によるデメリット】
・歯が並ぶスペースが少なくなり、ガタガタ した歯並びになりやすい。
・歯並びが乱れることで磨き残しがつきやすくなるので、むし歯や歯周病になりやすくなる。
・上あごの前後的な成長不足によりいびきをかきやすく睡眠呼吸障害から全身への健康に影響が出やすくなる。睡眠呼吸障害は、高血圧や心不全、心筋梗塞、脳卒中、糖尿病などの合併症を引き起こす可能性があります。
【上あごの成長不足】
□ 遺伝的な要素
□ 食文化の変化(加工食品の増加など)
□ 呼吸様式(口呼吸) などいくつか原因があります。
その1つに「舌の位置」が上あごの成長に大きく関わっています。
【舌の正しい位置】
例えば、
つばを飲み込むのときの正しい舌の位置は上の前歯の奥側についている状態が正常です。
上あごが成長する時期に舌が上についていないと本来舌によって拡がるはずだった上あごが拡がらないため、上あごの成長不足がおこると言われています。
また上あごの成長が終わったあとも歯並びは、「バクシネーターメカニズム」という唇周りと舌の筋肉のバランスに影響を受けると言われているので、矯正治療をしたとしても舌が正しく使えてなければ、歯並びが再び乱れる可能性があります。
【舌の位置を治す方法】
この舌の位置・使い方を改善するには主に2つの方法があります。
①MFT(口腔筋機能療法):今後の詳しく説明したいと思います!
②機能的マウスピース型矯正(プレオルソやマイオブレイス)
当院では、MFTとプレオルソを用いた矯正治療も行っています。この矯正治療を通して、正しい舌の使い方を習得してもらったり、舌の筋力をトレーニングしていきます。
【正しい診査・診断が重要】
そのため、当院では歯並び相談後に精密検査を希望された方には
〇歯科医師によるお口の中・顔貌の診査
〇お口の写真撮影
〇顔・姿勢の写真撮影
○CTなどのレントゲン検査
の精密検査を行います。その中でお口の中の診査で舌の使い方などもしっかりと評価し、診査・診断を行い矯正治療にうつっていきます!
【執筆・監修者】
たむら歯科・こども矯正歯科 院長
田村 光正 (歯科医師)
滋賀医科大学精神科 客員
睡眠歯科学会会員・顎咬合学会会員