コラム

お子さまの「お口が自然と開いてしまう」「べーっと舌が出やすい」「口呼吸になっている」などの癖は、見た目だけでなく将来の歯並びや咬み合わせ、呼吸・発音・全身の健康にも影響を及ぼす可能性があります。そんなときに有効なのが、「歯並びを整える」だけでなく「舌・唇・呼吸などの機能」を整えることを目的としたマウスピース型矯正装置プレオルソです。

本記事では、プレオルソがなぜ「お口ぽかん」「ベロがよく出る」といった癖の改善に有効なのか、メリット・注意点、そしてご家庭でできるサポート方法まで詳しく解説します。

目次

プレオルソとは — 単なる矯正装置ではない「機能矯正」の考え方

「プレオルソ」は、子どもの口腔周囲筋(舌・頬・唇など)のバランスを整え、正しい呼吸・飲み込み・口の閉じ方を身につけることを目的とした“機能矯正”のマウスピース型装置です。一般的な矯正装置のように歯を強制的に動かすのではなく、“お口まわりの筋肉の使い方”そのものを改善し、将来の歯並びや顎の成長が自然に整いやすい環境づくりを目指します。

素材はやわらかく、お子さまが装着しやすい形状が特徴です。取り外しも可能なため、日常生活の負担を少なく始めることができます。基本的な使用方法は「日中1時間+就寝時の装着」。毎日の継続が、舌の位置の安定や口を閉じる習慣の獲得につながります。

プレオルソが最も効果を発揮しやすいのは、乳歯列から永久歯列へ生え変わる「4〜10歳ごろ」。骨が柔らかく、呼吸や舌の使い方などの“癖”がまだ定着しきっていない時期だからこそ、筋機能を正しい方向へ導きやすいのです。また、舌が低い位置にある癖、口がぽかんと開いてしまう癖、鼻呼吸が苦手といったケースでも、機能矯正というアプローチが有効に働きます。

従来の「歯並びを動かす矯正」とは異なり、プレオルソは「正しい機能」を育てることで歯並びの土台を整える治療です。次の項目では、その仕組みをより詳しく理解するため、プレオルソの基本構造や年齢適応などを具体的に解説します。

プレオルソの基本構造と装着方法

プレオルソは、ポリウレタンという柔らかい素材で作られた「マウスピース型」の矯正装置です。一般的なワイヤー矯正のように固定式ではなく、取り外しができることが大きな特徴です。お子さまが装着したときに痛みが出にくく、受け入れやすいよう、弾力のある構造とシンプルな形状で作られています。

装着方法は「日中1時間+就寝時」が基本。日中はテレビや宿題の時間などに短時間装着し、就寝中に継続して使うことで、舌の位置や口の閉じ方が自然と身についていきます。また、装置を入れると舌が上に誘導されやすい構造になっているため、舌が前に出る癖や、舌が低い位置にある“低位舌”の改善にもつながります。

どの年齢のお子さまに適しているか

プレオルソが特に効果を発揮しやすいのは、4〜10歳ごろの成長期です。この時期は、顎の骨が柔らかく、筋肉や呼吸の癖がまだ固定されていないため、正しい機能に導きやすいという大きなメリットがあります。たとえば、乳歯列と永久歯列が混在する「混合歯列期」では、舌や唇の使い方が歯並びの成長に大きく影響します。

この段階で舌癖(舌が前に出る・下がる)、口呼吸、口がぽかんと開く癖があると、将来的に出っ歯・開咬・叢生などに発展しやすくなるため、早期介入が推奨されることもあります。プレオルソはこうした癖にアプローチしながら、永久歯が正しく生えてくるためのスペースづくりをサポートする装置として役立ちます。

なぜ「歯を動かす装置」ではないのか

プレオルソは、ワイヤー矯正のように“歯を直接動かす”装置ではありません。その目的は、舌・唇・頬などの筋肉のバランスを整え、正しい顎の成長を促すことにあります。つまり「歯を動かす」よりも「正しい使い方を身につける」ことに重点を置いた“機能矯正”です。

たとえば、舌が常に低い位置にあると、上顎が十分に広がらず、永久歯が並ぶスペースが足りなくなることがあります。また、唇の力が弱いと口が開きやすくなり、前歯が前に押し出されて出っ歯になるケースも。こうした“癖”を放置したまま歯だけを動かしても、原因が残っているため後戻りしやすいのが現実です。

プレオルソでは、装置の内側に舌を上顎へ導くガイドがあり、装着そのものがトレーニングの役割も果たします。つまり、機能面を整えることで「自然な成長に合わせて歯並びが整いやすい環境」をつくるのが、プレオルソの大きな価値なのです。

なぜ「お口ぽかん・ベロの突出」が問題なのか — 癖が及ぼす影響

一見すると「口が少し開いているだけ」「舌が前に出やすいだけ」のように思える癖ですが、実はお子さまの成長にさまざまな影響を与える重要なサインです。舌は本来、上あごの天井(口蓋)に軽く触れているのが正常な位置です。しかし、舌が前方や下方にある状態が習慣化すると、口を閉じにくくなり、自然と口呼吸が増え、お口周りの筋肉バランスが崩れていきます。

また、口が常に開いていると、唇の力が弱まり、上顎・下顎の成長方向にも影響を及ぼします。結果として、上顎が狭くなったり、前歯が前に押し出されたり、噛み合わせがズレたりすることもあります。さらに、呼吸・発音・飲み込みなどの基本的な機能にも悪影響が及ぶことが知られています。

このように「お口ぽかん」「舌が出る癖」は成長期の子どもにとって放置すべきではなく、早めの対応が将来の歯並び・健康への大切な投資となります。以下では、その具体的な影響についてさらに詳しく解説します。

舌癖・口呼吸が歯並びに与える影響

舌が前に出たり、常に下がったりしていると、舌の力が前歯を外側へ押す方向に働きやすくなります。これにより、**出っ歯(上顎前突)・開咬(前歯が噛み合わない)・叢生(ガタガタの歯並び)**といった不正咬合が起こりやすくなります。

また、口呼吸が続くことで唇の力が弱まり、口が閉じにくくなったり、上顎の成長が制限されて“狭い上顎(狭窄歯列)”になることもあります。狭い上顎は舌の居場所をさらに奪い、舌癖を悪化させるという悪循環につながります。

さらに、舌の位置が低い「低位舌」のまま成長すると、永久歯が生えるべきスペースが確保できず、歯並びの乱れが進行しやすくなるなど、長期的な影響も無視できません。

呼吸・発音・飲み込み機能への影響

お口ぽかんや舌癖があるお子さまは、鼻呼吸がしづらく、口呼吸が慢性化しやすい傾向があります。口呼吸になると、空気が乾燥したまま喉へ入りやすく、風邪やアレルギー症状を起こしやすくなるという報告もあります。

発音への影響としては、舌の位置が安定しないことで「サ行が出しにくい」「タ行が不明瞭」などの症状が出ることがあります。飲み込みの際も舌が前に出やすい“幼児型嚥下(えんげ)”が続くと、歯並びに力が加わり続けるため、不正咬合の原因にもなります。

このように舌の位置・呼吸の方法・唇の力はすべてつながっており、どれか一つが崩れるとほかの機能にも影響が出るため、早期に整えることが大切です。

将来的な健康リスク(歯並びの悪化、アレルギー、口腔内の衛生など)

口呼吸が習慣化すると、口の中が乾燥しやすくなり、むし歯・歯肉炎・歯周病のリスクが高まる可能性があります。唾液には自浄作用や抗菌作用がありますが、口呼吸によって唾液が乾燥し、十分に働けない状態になるためです。

また、乾燥した空気がダイレクトに喉へ入ることで、風邪・喘息・アレルギーなどの呼吸器トラブルを引き起こしやすくなるとの指摘もあります。さらに、舌癖によって上顎が狭くなると、睡眠時無呼吸症候群などのリスクと関連することもあり、長期的に見ても決して軽視できません。

永久歯が正しく生えるスペースが足りないと、後から本格的な矯正が必要になる可能性も高まります。つまり、日常的な“癖”の改善は、将来の健康と歯並びに直結する重要な課題なのです。

プレオルソが癖や機能を改善するメカニズム

プレオルソは、単に「装置を入れて歯を動かす」のではなく、舌の位置・唇の力・呼吸の仕方といった“お口の機能”を整えるための設計がされています。お口ぽかんや舌が前に出る癖の多くは、筋肉の使い方のアンバランスによって起こりますが、プレオルソはこのバランスを整えることで、自然に正しい状態へ導く役割を果たします。

たとえば、装置により舌が上顎に触れやすくなることで、舌の正しい位置を覚えやすくなります。また、口を閉じるためには唇の筋肉が必要ですが、プレオルソを装着すると唇の力が少し必要になるため、トレーニング効果が得られます。さらに、舌と唇の位置が整うと自然と鼻呼吸がしやすくなり、呼吸の改善にもつながります。

ここからは、こうしたメカニズムをもう少し具体的に分解して解説します。

舌を上あごに導く形状 — 舌の位置を正す

プレオルソの内側には、舌が自然と上あご(口蓋)に触れやすくなるガイド構造があります。これは「低位舌(舌が下にある状態)」や「舌が前に出る癖」を改善するために欠かせないポイントです。

舌が正しい位置にあると、上顎が適切に広がり、永久歯が並ぶためのスペースを確保しやすくなります。逆に舌が常に低い位置にあると、上顎が狭くなり、歯並びが乱れやすくなるため、舌位の改善は非常に重要です。

プレオルソを装着するだけでも舌の位置が改善されやすく、毎日の繰り返しが“舌の正しい癖づけ”につながります。

口元の筋肉を鍛える — 唇・頬・舌のトレーニング的効果

プレオルソは、お口の周りの筋肉を“自然と使わせる”構造になっています。装置を入れると、唇を閉じるために一定の筋力が必要になり、これが口を閉じる力(口唇閉鎖力)のトレーニングになります。

さらに、装置が頬や舌にも軽い刺激を与えることで、普段使えていない筋肉をバランスよく働かせることにつながります。そのため「口が開きやすい」「口角が下がっている」「唇がいつも乾いている」といった症状の改善にも効果を期待できます。

お子さまにとっては“トレーニングしている意識がなくても、自然と筋肉が鍛えられていく”という点が、大きなメリットです。

鼻呼吸への導き — 呼吸・機能の改善

舌の位置と唇の力が整うと、自然と口が閉じやすくなり、口呼吸から鼻呼吸へ移行しやすくなります。 鼻呼吸ができるようになると、口腔内の乾燥が軽減し、むし歯や歯肉炎のリスクも抑えられます。

また、鼻呼吸は空気を適切に加湿・温めてから肺へ届けるため、風邪やアレルギーの予防にもつながるとされています。これは「プレオルソ=歯のための装置」という枠を超え、全身の健康面でもメリットがあることを意味します。

呼吸は一度習慣化すると変えにくい行動ですが、舌位・唇の機能が整うことで無理なく改善が期待できる点が大きな利点です。

咬み合わせ・顎の成長への影響 — 将来の歯並び土台作り

プレオルソは、正しい筋肉の使い方を促すことによって、顎の成長方向にも良い影響を与えることがあります。たとえば、舌が正しい位置にあると上顎が十分に広がり、下顎もバランスよく前方に成長しやすくなります。これは、不正咬合の予防にもつながり、将来的に本格矯正の負担を軽減できる可能性があります。

また、筋機能が整うことで、噛み合わせが安定しやすくなり、将来の「ガタガタ」「出っ歯」「受け口」などへのリスク低減が期待できます。早期の段階で顎の成長を適切な方向へ導くことは、お子さまの一生の歯並びに大きな価値をもたらすアプローチです。

どんな子どもに向いているか — 適応症と適さないケース

プレオルソは、歯の位置を直接動かすのではなく、「舌・唇・呼吸などの機能」を整えることに重点を置いた装置です。そのため、特に“口元の癖”に起因する歯並びの乱れや、顎の成長不足が心配なお子さまに適しています。一方で、すべてのケースに万能というわけではなく、骨格の問題が強かったり、歯の乱れが重度だったりする場合には、他の矯正治療との併用が必要になることもあります。

また、プレオルソは「使い続けること」で効果を発揮する装置のため、装着時間を守れるかどうかも重要なポイントです。ここでは、適応されやすいケース/注意が必要なケースを具体的に整理し、お子さまに合うかどうか判断する際の参考として解説します。

適応されやすい症状・癖(お口ぽかん・舌癖・口呼吸・軽度の歯並び不正など)

プレオルソが特に有効とされるのは、次のような癖や症状がある場合です。

  • お口がいつも開いている(お口ぽかん)
    唇の筋力が弱い場合でも、装置を使うことで口を閉じるトレーニングにつながります。
  • 舌が前に出る/舌の位置が低い(舌癖・低位舌)
    舌を上あごに誘導する構造により、正しい位置を学習しやすくなります。
  • 口呼吸が習慣化している
    舌と唇の機能が整うことで、鼻呼吸への移行をサポートします。
  • 軽度の歯並びの乱れ(叢生・出っ歯傾向など)
    顎の成長を整えることで将来的な歯並びの悪化防止に貢献。
  • 永久歯が生えるスペースが足りなさそうに見えるケース
    骨が柔らかい時期に機能を整えることで、自然な成長を後押しします。

このような“癖由来の問題”に対して、プレオルソは非常に相性のよい治療法といえます。

適応年齢の目安と導入のタイミング

プレオルソの使用に最適な時期は、4〜10歳ごろの混合歯列期(乳歯と永久歯が混ざる時期)です。この年代は顎の成長が活発で、舌や呼吸の癖がまだ固定化していないため、正しい筋機能を身につける効果が出やすいという特徴があります。

特に

  • 永久歯が生え始めてきた頃
  • 前歯の向きやスペースに不安を感じ始めた頃
  • 口が開きやすい・舌が前に出る癖に気づいた頃

といったタイミングで始めると、将来の歯並びが悪化するのを予防しやすくなります。

早い段階で舌・呼吸・姿勢などの“機能”を整えることは、その後の成長の土台づくりという意味でも非常に価値があります。

プレオルソだけでは不十分なケースや注意点(重度の不正咬合・骨格異常など)

以下のようなケースでは、プレオルソ単独では十分な改善が難しい場合があります。

  • 歯のガタつき(叢生)が強い場合
    顎のスペース不足が大きい場合は、拡大装置やワイヤー矯正が必要になる可能性があります。
  • 骨格的な問題(受け口・反対咬合が強いなど)
    上下の顎の成長バランスが大きくずれている場合は、別の矯正治療や成長誘導が必要。
  • 装着習慣が守れない場合
    日中1時間+就寝時の使用が守れないと、効果が出にくくなります。
  • 指しゃぶり・うつ伏せ寝・ほう杖など他の悪習癖が強い
    これらを改善しないと、舌癖が再発しやすく、効果が安定しにくいことがあります。

これらのケースでは、プレオルソが「無意味」というわけではなく、
“他の治療の補助”や“習癖改善の第一歩”として有効な位置づけになることが多いです。

ご家庭でできるサポート — 装置だけに頼らない習慣づくり

プレオルソは「装置を入れれば勝手に治る」タイプの矯正ではありません。もっと正確に言うと、“装置+日常の習慣改善”がセットになって初めて効果が最大化する矯正方法です。舌癖・口呼吸・お口ぽかんなどは、“癖”と“筋肉の使い方”の両方が関係しているため、家庭でのトレーニングや環境づくりがとても重要です。

たとえば、舌の位置を正すMFT(口腔筋機能療法)、鼻呼吸を促す生活習慣、睡眠時の姿勢など、毎日の小さな積み重ねが機能の安定につながります。また、お子さま自身が楽しく続けられるためには、保護者の励ましや習慣づくりの工夫も欠かせません。

ここでは、今日からご家庭で始められるサポート方法を、わかりやすく解説します。

お口周りの筋トレ(MFT)の習慣化:あいうべ体操や舌回しなど

MFT(口腔筋機能療法)は、舌・唇・頬などの筋肉を正しく働かせるためのトレーニングです。プレオルソの効果をより確実にするためには、家庭での簡単な体操の継続がとても有効です。

代表的なトレーニングには次のようなものがあります。

  • あいうべ体操:大きく「あ・い・う・べ」と口を動かし、唇や頬の筋肉を鍛える。
  • 舌回し・舌上げ体操:舌を大きく動かすことで、舌の筋力と柔軟性を向上。
  • ガムやトレーニング用チューブを使った咀嚼トレーニング:噛む力を育て、口の閉じ方の改善にも役立ちます。

これらは1回数分ででき、お子さまも続けやすい内容です。装置とトレーニングを併用することで、舌癖や口呼吸の改善がより早く・安定して進みます。

鼻呼吸を意識する/姿勢・生活習慣の見直し

鼻呼吸への移行は、舌位や口唇閉鎖力の改善だけでなく、日常生活のちょっとした工夫でも促せます。

たとえば、

  • 日中、声をかけて口を閉じる習慣づけをする
  • 寝る姿勢を仰向けにする(うつ伏せ寝は舌癖悪化の原因)
  • 鼻が詰まりやすい場合は耳鼻科受診でのケアも検討
  • よく噛む食事を意識する
  • 前かがみの姿勢を減らし、背筋を伸ばす習慣をつける

姿勢と呼吸は密接に関係しており、猫背になると舌が下がりやすく、口呼吸が増える傾向があります。姿勢改善は手軽にできるサポートの一つです。

保護者のサポートとモチベーション維持の工夫

プレオルソ治療は、“続けること”が何よりも大切です。とくに就寝時の装着は効果に直結するため、保護者の関わりが治療成功の鍵を握ります。

たとえば、

  • 毎日の装着時間をカレンダーやアプリで管理する
  • できた日はシールを貼るなどの“見える化”でモチベーションアップ
  • トレーニングを親子で一緒に行う
  • 無理に叱らない(嫌がると逆効果のため、励ましが重要)
  • 定期的に歯科を受診し、成果を一緒に確認する

お子さまが楽しく取り組めるような環境づくりが、治療の継続と定着につながります。

定期的なチェックと、必要に応じて他の矯正・治療との連携

プレオルソは、成長に合わせて効果が変化する装置です。そのため、歯科での定期チェックが欠かせません。

  • 舌癖の改善状況
  • 鼻呼吸がどれくらい身についているか
  • 顎の成長のバランス
  • 永久歯の生え方の経過
  • 装置の状態やサイズの変更

これらを定期的に確認し、必要があればトレーニング内容の変更や、将来的なマウスピース矯正やワイヤー矯正との併用についても検討します。

プレオルソで“機能の土台”を整えておくことで、もし本格矯正が必要になった場合でも、治療期間の短縮や負担軽減が期待できることがあります。

よくある質問と注意点 — プレオルソを始める前に知っておきたいこと

プレオルソは、装着するだけで“自然と機能が整いやすい”画期的な装置ですが、誤解が生じやすい点や、事前に知っておくと安心できるポイントがいくつかあります。たとえば「どのくらいで効果が出るの?」「痛みはあるの?」「これだけで歯並びは整うの?」など、保護者の方が最も気になる部分をまとめて解説します。

治療をスムーズに進めるためには、こうした疑問を事前にクリアにし、お子さまが無理なく続けられる環境づくりが欠かせません。ここでは、プレオルソに関する代表的なQ&Aを取り上げ、治療を始める前の不安をできるだけ減らせるよう丁寧にご説明します。

「すぐに効果が出る?どのくらいで改善される?

プレオルソの効果が現れるまでの期間には、大きな個人差があります。お口の癖の強さ、舌や唇の筋力、装着時間、成長のタイミングなどが影響するため一概にはいえません。

ただし、見た目の変化がすぐに出なくても、舌位や口唇閉鎖力が少しずつ改善している場合も多く、**“継続が一番の近道”**です。

装着が習慣化し、家庭でのトレーニングと併用することで、より確実で安定した改善が期待できます。

「痛みや不快感はある?慣れるまでの期間は?」

プレオルソは柔らかい素材で作られているため、ワイヤー矯正のように強い痛みはほとんどありません。ただし、次のような軽い不快感が生じることがあります。

  • 装着初期の違和感
  • 唾液が増える
  • 朝、口の周りの筋肉が軽く疲れる
  • 就寝時に外れやすい

これらは多くの場合、1〜2週間ほどで慣れていきます。 装着時間を少しずつ延ばしていくことや、最初は日中の落ち着いた時間に慣れるようにすることが効果的です。

強い痛みが続く場合や、装置が当たって傷ができる場合は、必ず歯科医院で調整を受けましょう。

「プレオルソだけで十分?それとも他の治療も必要?」

プレオルソは、軽度〜中等度の癖や歯並びの問題に非常に有効です。しかし、万能ではなく、ケースによっては次のような判断が必要になります。

  • 舌癖や口呼吸が主な原因 → プレオルソで機能改善が効果的
  • 骨格的な問題や強い叢生 → 拡大装置・ワイヤー矯正が追加で必要な場合あり
  • 悪習癖(指しゃぶり・うつ伏せ寝)が強い → 習慣改善の並行が必須

つまり、プレオルソはあくまで**“土台づくりの矯正”**。歯並びの軽度な問題ならプレオルソで完結することもありますが、将来的に本格矯正が必要になるケースもあります。

重要なのは、
「今、どの機能が乱れていて、どう整えると将来につながるか」
を見極めることです。歯科医院での精密な診断が不可欠といえます。

当院の特徴とサポート体制

プレオルソ治療は、装置をお渡しして終わりではありません。大切なのは、舌・唇・呼吸といった “機能” がしっかりと身につくまで継続的にサポートすることです。当院では、お子さま一人ひとりの癖や成長段階を把握しながら、保護者の方と二人三脚で治療を進めていく体制を整えています。

たとえば、舌癖が強いお子さまにはMFT(口腔筋機能療法)の指導を行い、口呼吸が目立つ場合には生活習慣のアドバイスもセットで行います。また、成長期は変化が早いため、定期的なチェックで「今どのような成長が起きているか」「どの部分に改善の余地があるか」を確認し、必要に応じて治療方法を調整します。

プレオルソは“将来の歯並びの土台づくり”にあたる治療だからこそ、サポート体制の充実が欠かせません。ここでは、当院で大切にしている3つのポイントをご紹介します。

初回相談・診断からのステップ(検査、装置の作製、装着指導)

当院では、まず「どの癖が歯並びや呼吸に影響しているのか」を明確にするため、初回相談でしっかりと時間を取り、保護者の方のお悩みを丁寧に伺います。

その後、

  1. お口の中の検査・写真撮影・咬み合わせの確認
  2. 舌癖・口呼吸・姿勢などの機能評価
  3. 必要に応じた装置の選定(プレオルソの種類の決定)
  4. 装置の作製・フィッティング
  5. 装着方法の指導とご家庭での注意点の説明

といった流れで治療をスタートします。

特に“正しい装着方法”は効果を左右する重要なポイントのため、実際にお子さまと一緒に装着練習を行い、その場でしっかりフィット感を確認します。

トレーニング・生活習慣へのフォロー(舌・唇・呼吸)

プレオルソ治療では、MFT(口腔筋機能療法)と生活習慣の改善が必須の柱です。当院では、以下のようなフォローを行っています。

  • 舌を上あごに上げるトレーニング
  • 唇を閉じる力を育てる口唇トレーニング
  • あいうべ体操・舌回しなど自宅でできる体操指導
  • 姿勢改善アドバイス(猫背・うつ伏せ寝の予防)
  • 鼻呼吸がしやすい環境づくりの提案

これらは、装置だけでは補いきれない「癖の改善」を後押しする大切なステップです。毎回のチェックでトレーニングの進捗を確認し、お子さまに合った内容に調整していきます。

将来の本格矯正を見据えたサポート(必要に応じた矯正への移行、後戻り防止)

プレオルソは、将来の歯並びが整いやすくなる“基礎を整える治療”です。そのため、もし永久歯列完成後にワイヤー矯正やマウスピース矯正が必要な場合でも、治療期間の短縮や負担の軽減につながることがあります。

当院では、

  • 永久歯の生え方
  • 顎の成長の方向性
  • 噛み合わせの変化
  • 舌・呼吸の癖の残り具合

などを定期的に評価し、必要に応じて本格矯正への移行を提案します。

また、治療後の後戻り防止についても、筋機能の安定やリテーナー管理のアドバイスを行い、“きれいな歯並びを長く維持できるように”サポートしていきます。

まとめ:なぜ「今」プレオルソ+習慣改善が有効か

お口ぽかんや舌が前に出る癖、口呼吸といったお子さまの“日常の癖”は、見た目の問題だけではなく、将来の歯並び・咬み合わせ、鼻呼吸の確立、発音、さらには全身の健康にまで影響を及ぼす可能性があります。これらは成長期の骨や筋肉が柔らかい時期にこそ改善しやすく、放置すると「歯が並ぶスペースが足りない」「噛み合わせのズレが大きくなる」など、後の矯正治療が複雑化するリスクも生じます。

プレオルソは、こうした問題の根本にある 舌・唇・頬の筋機能を整えることで、自然な顎の成長と歯並びの土台づくりをサポートする装置 です。装着そのものがトレーニングとなり、舌の位置や口の閉じ方、鼻呼吸を無理なく習慣化しやすくなります。

しかし、プレオルソだけに頼るのではなく、

  • 自宅での舌・口周りのトレーニング(MFT)
  • 姿勢や生活習慣の見直し
  • 保護者のサポート
  • 歯科での定期チェック

といった“習慣の改善”と組み合わせることで、効果がより確実に、そして安定して定着していきます。

お子さまの将来の歯並びや健康のために、「気づいた今」こそ始めどきです。
気になる癖がある、歯並びが心配、という場合は、まずはこども歯並び専門の滋賀県高島市のたむら歯科・こども矯正歯科の田村 光正にお気軽にご相談ください。

【執筆・監修者】

たむら歯科・こども矯正歯科 院長

田村 光正 (歯科医師)

  • 滋賀医科大学精神科 客員
  • 睡眠歯科学会会員
  • 顎咬合学会会員
  • 即時荷重研究会会員
  • 口育士

〒520-1214
滋賀県高島市安曇川町末広3丁目3-1

WEB診療予約

受付時間:9:00-12:30 / 14:30-17:30

歯科関係者・業者・求職者の方は「医院情報」のお問い合わせフォームよりお問い合わせください。Web予約が可能な方は初診・再初診・予約の変更・キャンセルはWeb予約からお願いします。

calenda
WEB診療予約 line instagram
求人情報 line WEB診療予約