コラム

「子供の前歯が反対に噛み合っている気がする」「受け口かもしれないけど、乳歯のうちは様子を見ていいのか」「矯正を始めるなら何歳からがいいのだろう」そのような疑問を持ちながら、受診のタイミングを迷っていませんか?

子供の反対咬合(受け口)は、下の歯やあごが上の歯より前に出た状態です。「乳歯のうちは自然に治ることもある」という話を耳にして、様子を見ている保護者の方は少なくありません。反対咬合は、下顎が前に出ているイメージがあると思いますが、小学生までの反対咬合の多くは上顎の成長不足が原因であり、放置するほど上顎の成長が阻害され、骨格のズレが大きくなっていくケースに注意が必要です。また、成長期を過ぎてから対処しようとすると、小児矯正では選べた治療の選択肢が使えなくなり、外科手術が必要になる可能性もあります。

本記事では、子供の反対咬合の矯正をいつから始めるべきか、年齢ごとに何をすべきかを、受け口の原因・放置リスク・使用する装置の具体的な内容まで含めて解説します。滋賀県高島市のたむら歯科・こども矯正歯科院長の田村光正がお伝えします。

目次

子供の反対咬合(受け口)は自然に治るのか

受け口は自然に治る?

「乳歯のうちは、成長とともに自然に治ることもある」と聞かれることがあります。しかし、受け口の原因が上顎の成長不足にある場合、自然に改善するケースは多くありません。そのまま様子を見ることで、上下のあごの成長バランスがさらに崩れる可能性もあるため、早い段階で原因を確認することが大切です。

反対咬合の原因は「上顎の成長不足」が関係していることが多い

子供の受け口(反対咬合)は、原因によって大きく2つに分けられます。

一つは、上の前歯が内側に傾いている、下の前歯が外側に傾いているなど、歯の生える向きや傾きによって起こる「歯が原因(歯性)」の反対咬合です。

もう一つは、上あごが十分に前方へ成長していない「上あごの成長不足」や、下あごの成長が強い「下あごの過成長」など、上下のあごの大きさや位置関係が原因となる「あごが原因(骨格性)」の反対咬合です。

乳歯の受け口の中には、永久歯への生え変わりに伴って自然に改善するケースもあります。しかし、上あごの成長不足など骨格的な問題が関係している場合は、生え変わるだけで改善するとは限りません。

骨格性の反対咬合では、歯の向きだけではなく、成長期における顎の発育状態を確認し、必要に応じて「あごの成長そのもの」に働きかける治療を検討します。

「乳歯だから、永久歯が生えたら自然に治るかもしれない」と過度に期待して様子を見続けると、適切な診断や対応のタイミングが遅れてしまうことがあります。すべてのお子さまにすぐ治療が必要なわけではありませんが、まずは受け口の原因を見極めることが大切です。

乳歯時期の受け口が「永久歯に生え変わっても続く」サインとは

乳歯期の受け口でも、前歯の生え方や一時的な噛み合わせが原因の場合には、永久歯への生え変わりによって改善することがあります。一方で、次のような特徴が見られる場合は、永久歯に生え変わった後も受け口が続く可能性を考え、早めにあごの成長状態を確認しておくことが大切です。

  • 噛んだときに、上下の前歯の反対の噛み合わせがしっかり固定されている
  • 横顔を見たときに、上唇や口元が引っ込んで見える
  • 笑ったときに、上の前歯がほとんど見えない
  • 顎を前にずらすように噛んでいる
  • 家族に受け口や骨格性の反対咬合の方がいる

ただし、こうした見た目だけで、自然に改善する受け口か、治療を検討した方がよい受け口かを正確に判断することはできません。

「永久歯が生えてきたら治るかもしれない」と様子を見ているうちに、中学年頃になり、上下のあごのずれが目立ってくるケースもあります。

早めに相談する目的は、必ずすぐに矯正治療を始めることではありません。永久歯列が完成する前に、歯の傾きによるものなのか、あごの成長が関係しているのかを専門家に確認し、治療が必要な場合には適切な時期を逃さないようにすることに意味があります。

子供の反対咬合を放置するとどうなる?|考えられるリスクと将来への影響

放置で高まる将来リスク

 子供の受け口を見て、「乳歯だから、もう少し様子を見てもよいのでは」「永久歯に生え変われば自然に治るかもしれない」と考える保護者の方も少なくありません。実際に、生え変わりに伴って噛み合わせが改善するケースもあります。しかし、上顎の成長不足や下顎の成長が強いことなど、骨格的な問題が関係している場合は、成長とともに上下のあごのズレが目立ってくる可能性があります。

 反対咬合は、すべてのお子さまがすぐに治療を始めなければならないわけではありません。一方で、成長期だからこそ確認できることや、対応を検討できることもあります。ここでは、受け口を長期間そのままにした場合に考えられる影響について説明します。

上下の顎の成長バランスが崩れ、骨格的なズレが大きくなることがある

 反対咬合では、下の前歯が上の前歯よりも前に出て噛み合っています。この状態が続くと、噛むたびに下顎を前方へずらす癖がついたり、上下の顎が本来とは異なる位置関係で成長したりすることがあります。特に、上顎が十分に前方へ成長していない骨格性の受け口では、成長に伴って上顎と下顎の差が目立ってくる可能性があります。幼少期には前歯だけの軽い受け口に見えていても、下顎の成長が活発になる思春期に、横顔や口元のバランスまで変化するケースがあります。

 前歯の反対咬合を早期に改善することには、歯の摩耗を防ぐだけでなく、顎の成長をより望ましい方向へ誘導する目的もあります。「今はそれほど目立たないから」と長期間様子を見るうちに、成長によって顎の差が広がる可能性もあるため、まずは歯の傾きによる受け口なのか、骨格の成長が関係しているのかを確認することが大切です。

歯や顎、噛む機能に負担がかかることがある

 子供のうちは自覚しにくいですが、成長とともに顎の疲れや口の開きにくさとして出てくることがあります。

噛み合わせが反対の状態が続くと、前歯が噛めないため特定の歯だけが強く当たり、歯を支える骨や歯茎にも負担が集中したりすることがあります。また、上下の歯がバランスよく接触しないため、食べ物を前歯で噛み切りにくい、奥歯で十分にすりつぶしにくいといった問題が生じることもあります。受け口が強い場合には、噛みにくさや顎周辺の不快感につながる可能性もあります。

 顎関節の症状には、噛み合わせだけでなく、生活習慣や筋肉の緊張などさまざまな要因が関係します。そのため、受け口があれば必ず顎関節症になるわけではありません。しかし、偏った噛み方が習慣化すると、顎の筋肉や関節に負担がかかりやすくなるため、噛み方や顎の動きも含めて確認しておくことが重要です。

発音・滑舌に影響することがある

 言葉を発音するときには、舌だけでなく、前歯や唇、上顎なども使います。前歯の噛み合わせが反対になっていると、舌を正しい位置に置きにくくなり、サ行やタ行などの一部の音が不明瞭になることがあります。ただし、発音には舌の動かし方や口腔機能、発達なども関係するため、受け口だけが原因とは限りません。

 滑舌が気になる状態が続くと、学校での音読や発表、人との会話に苦手意識を持つこともあります。反対咬合を早期に確認することは、歯並びだけでなく、噛む・飲み込む・話すといった口腔機能を確認する機会にもなります。前歯部反対咬合の早期対応が、発音や飲み込みに関する問題の予防につながる場合もあるとされています。

成長終了後には外科矯正が選択肢となる場合がある

 中学生以降で骨格的な受け口が強くなり、あごのズレが大きくなってしまった場合、歯の移動だけでは改善できないので、成人後にあごの骨を切る「外科矯正(骨切り手術)」が必要になることがあります。外科矯正では、矯正治療によって歯並びを整えたうえで、全身麻酔下で顎の骨を切って移動させる手術を行います。一般的に入院や術後の回復期間も必要となるため、矯正装置だけで行う治療と比べると、身体的・時間的な負担が大きくなります。

 成長期に治療を行えば、将来の手術を必ず避けられるというわけではありません。下顎の成長には個人差があり、治療後も成長を継続して確認する必要があります。ただし、成長期には、上顎の成長を促したり、噛み合わせによって下顎が前に誘導される状態を改善したりするなど、顎の成長を利用した治療を検討できます。永久歯がすべて生えそろう前に受け口の原因と今後の成長を確認することで、治療の選択肢を広げ、将来の治療が複雑になるリスクを減らせる可能性があります。

Le Fort I 型骨切り術

「すぐに治療するため」ではなく、「適切な時期を逃さないため」に早めの相談を

 反対咬合が見つかったからといって、すべてのお子さまがすぐに矯正治療を始めるわけではありません。歯の生え変わりや顎の成長を定期的に確認しながら、治療の必要性や開始時期を判断するケースもあります。大切なのは、保護者の方だけで「乳歯だから、まだ様子を見ても大丈夫」と判断せず、受け口の原因を早めに確認しておくことです。歯の生える向きや傾きによるものなのか、上顎の成長不足など骨格的な問題が関係しているのかによって、今後の経過や適切な対応は異なります。

 成長期には、あごの成長を利用して噛み合わせの改善を目指せるなど、その時期だからこそ検討できる治療があります。すぐに治療が必要でない場合でも、早い段階から歯の生え変わりや顎の成長を見守ることで、必要なタイミングを逃しにくくなります。お子さまの受け口の原因と成長状態を把握し、必要になったときに、できるだけ負担の少ない治療方法を選べるように準備しておくことに意味があります。

適切な時期

子供の反対咬合の矯正はいつから始めるのがベストか

治療開始は5歳ごろが目安

「子供が受け口なのですが、矯正は何歳から始めたらいいですか?」

反対咬合のお子さまを持つ保護者の方から、よくいただくご質問です。

反対咬合の治療を始める時期について、当院では「5歳頃をひとつの目安」としておすすめしています。

もちろん、5歳を過ぎたから治療ができないという意味ではありません。6歳、7歳、8歳になってからでも、お子さまの成長段階や骨格の状態によって治療できるケースはたくさんあります。

ただ、反対咬合の場合は、出っ歯や歯のガタガタなど、ほかの歯並びの問題とは少し考え方が異なります。その理由は、反対咬合では「上あごの成長をできるだけ早い時期から利用することが重要」だからです。特に5〜8歳頃は、上あごの成長を矯正治療に活かしやすい大切な時期です。この期間をできるだけ長く使える5歳頃から治療を始めることで、上あごの成長を促しながら、上下の顎のバランスを整えていくことができます。

 つまり、「5歳を過ぎたら遅い」ということではなく、「5歳頃から始めることで、成長する力を最大限に活かしやすい」という考え方です。

5歳からのスタートが受け口に有効な理由

子供のあごは、大人になるまで同じスピードで成長するわけではありません。

特に上あごは、幼児期から学童期前半にかけて大きく成長していきます。そのため、反対咬合の治療では、この上顎が成長しやすい時期をどれだけ治療に活かせるかが重要になります。

反対咬合のお子さまの中には、単純に「下の前歯が前に出ている」だけではなく、「上顎そのものが小さい、あるいは上顎の前方への成長が不足している」ケースが少なくありません。

このような場合、歯だけを動かして噛み合わせを整えても、根本的な骨格の問題は十分に改善できないことがあります。

そのため成長期の治療では、

  • 上あごを前下方へ成長させる
  • 上あごを横方向に広げる
  • 上下のあごのバランスを整える

といった、骨格そのものへのアプローチが重要になります。

特に反対咬合の場合は、ほかの歯並びの問題と比べても、上あごを成長させなければならない量が大きくなるケースがあります。

だからこそ、上あごの成長を利用しやすい5〜8歳頃をできるだけ長く治療に使うことに意味があります。

例えば5歳頃から治療を開始できれば、5歳、6歳、7歳、8歳と、上あごの成長が期待できる期間を十分に活用できます。

一方で、治療開始が遅くなるほど、同じような骨格的改善を目指す場合でも、使える成長期間は短くなっていきます。

そのため当院では、明らかな反対咬合が認められる場合には、永久歯がすべて生えそろうまで待つのではなく、早めに一度歯科医院で状態を確認してもらうことをおすすめしています。

急速拡大装置と上顎前方牽引装置の2つを組み合わせる理由

当院では、骨格的な反対咬合に対して、状態に応じて「急速拡大装置」と「上顎前方牽引装置」を組み合わせて治療することがあります。

この2つの装置には、それぞれ異なる役割があります。

急速拡大装置は、主に「上あごを横方向に広げる」ための装置です。

反対咬合のお子さまでは、上顎が前後方向だけではなく、横幅も小さいケースが少なくありません。

上顎の横幅が狭いままでは、将来生えてくる永久歯が並ぶスペースが不足したり、上下の歯列の幅が合わなくなったりすることがあります。

そこで、まず急速拡大装置を使用し、上顎の骨格そのものを横方向へ広げていきます。

さらに当院で使用する急速拡大装置は、単純に横方向へ広げるだけではなく、装置の設計によって「上顎の前方向にも力が伝わりやすいように工夫」しています。

そして、そこに上顎前方牽引装置を組み合わせます。

上顎前方牽引装置は、上顎にゴムの力をかけることで、「上顎を前方へ成長させる方向に誘導する装置」です。

つまり、

急速拡大装置で「横方向」へ広げながら、前方にも力が伝わりやすい状態をつくり、さらに上顎前方牽引装置で「前方向」への力を加える。

この2つを組み合わせることで、上顎に対して横・前方の両方向からアプローチすることができます。

反対咬合では、単に前歯の噛み合わせを治すだけではなく、上あご全体の成長を考えることが重要です。

そのため、必要なケースではこの2つの装置を組み合わせることで、より効率的に骨格へ働きかけていきます。

なお、上顎前方牽引装置については、基本的に就寝中を中心に装着していただきます。

学校へ行っている間ずっと装着する必要がないため、日中の生活への影響をできるだけ少なくしながら治療を進めることができます。

上顎急速拡大装置の写真
上顎急速拡大装置

上顎前方牽引装置
上顎前方牽引装置

急速拡大装置の仕組みと1年の治療スケジュール

急速拡大装置には中央部分にネジがついており、そのネジをご自宅で少しずつ回していただくことで、上あごを段階的に広げていきます。

当院で使用している装置では、1つの急速拡大装置で最大約12mmまで拡大できます。

※お子さまのあごの大きさによっては、最大10 mm、8 mmのものを使用する場合もあります。

ネジは1回巻くことで約0.2mm広がり、基本的には1日1回を目安に寝る前に進めていきます。つまり12 mm拡大できる装置の場合、60回ネジ巻きを行うことができます。

「それなら毎日ずっと巻き続けて、一気に広げるのですか?」と思われるかもしれませんが、実際にはそうではありません。当院では、お子さまの骨の状態や歯並びを確認しながら、


急速拡大装置を装着時に約4週間ネジを巻く → 約2~4か月後に2〜3週間程度追加で巻く

といったように、拡大する期間と安定させる期間を組み合わせながら治療を進めていきます。

上顎を広げた直後は、骨が完全に安定しているわけではありません。

そのため、広げた状態をしばらく維持し、新しくできたスペースに骨が形成されて安定していく時間(約3か月)を確保することが大切です。

「たくさん広げれば早く治る」というわけではなく、広げる期間と休ませる期間を適切に組み合わせることが重要になります。

お子さまの状態によって多少前後しますが、こうしたサイクルで進めることで、急速拡大装置を使用する期間はおよそ1年~1年半程度になります。

急速拡大装置は、固定式の装置なので、付け外しの必要がなく、お子さまが必ず慣れてくれるため負担も少なく治療を進めていくことができます。

また、上あごだけを広げていくと、上下のかみ合わせが崩れることがあります。そのため必要に応じて、下あごには「リンガルアーチ」と呼ばれる装置を装着し、上顎の治療と並行して上下のバランスを整えていきます。

リンガルアーチの写真
リンガルアーチ

反対咬合の治療では、一部分だけを見るのではなく、上あご・下あご・歯並び・噛み合わせを総合的に確認しながら進めていくことが大切です。

5歳以前に相談に来てもらうことのメリット

「5歳頃から治療するのであれば、5歳になってから相談すればいいですか?」

というご質問をいただくこともあります。

もちろん5歳になってからでも構いませんが、歯並びや噛み合わせで気になることがあれば、それより前に一度相談していただくことにも大きなメリットがあります。

当院では、子供の歯並びについては歯が生えてくる生後7~8か月からでもご相談を受けつけています。

早い段階から状態を確認しておくことで、「今すぐ治療が必要なのか」「もう少し成長を待ってよいのか」「何歳頃から治療を始めるのがよいのか」を事前に判断できます。

特に反対咬合では、治療開始のタイミングによって、治療の進めやすさが変わることがあります。

早期に相談していただくメリットとして、大きく3つあります。

  1. 1つ目は、使用する装置を少なくできる可能性があることです。

    顎の骨がまだ柔らかく、成長する力が十分に残っている時期であれば、装置に対して骨が反応しやすく、1つの装置で必要な改善量を得られるケースがあります。一方で成長が進んでから治療を始めた場合、同じ量を改善するために、追加の装置が必要になることもあります。


  2. 2つ目は、治療の手数を少なくできる可能性があることです。

    早い時期から少しずつ成長を利用できれば、一度に大きな力をかける必要が少なくなります。結果として、装置の交換や追加治療を減らしながら進められる可能性があります。


  3. 3つ目は、お子さまが歯医者に慣れることでスムーズに治療を進めることです。

    お子さまにとって歯医者に行くこと自体が大きな壁になることも少なくありません。そのため、虫歯のない時から歯医者に行くことで「痛い」・「怖い」といったイメージが一切なく歯医者にきて診察室の椅子に座ることができます。


 また、矯正治療を開始する時に、虫歯があるとまずは虫歯治療を行うところから開始しますが、予防ができているとスムーズに矯正治療を開始することができます。

反対咬合は、子供の成長をうまく利用できるかどうかが治療の大きなポイントになります。

「下の歯が前に出ている気がする」「噛んだ時に受け口になっている」「家族に受け口の人がいる」など、少しでも気になることがあれば、永久歯が生えそろうまで待たず、早めに歯科医院へ相談することをおすすめします。

7歳・8歳で受け口に気づいた場合はどうなるか

「受け口の治療は5歳頃から始めたほうがよいと聞いたけれど、うちの子はもう7歳です」

「8歳になってから受け口に気づきました。もう遅いのでしょうか?」

このような不安を持って来院される保護者の方も少なくありません。

結論からお伝えすると、7歳・8歳だからといって、受け口の治療が手遅れというわけではありません。

7〜8歳頃でも成長を利用した治療を行えるケースは多くあります。

ただし、前の章でお伝えしたように、反対咬合では上顎の成長をできるだけ長く治療に利用できることが大切です。

そのため、同じような骨格の状態であれば、5歳頃から治療を開始した場合と比べて、7〜8歳からスタートする場合には、

  • 装置を使用する期間が長くなる
  • 使用する装置が増える
  • 治療中の調整回数が増える
  • お子さまの負担が多少大きくなる

といった可能性があります。

だからといって、

「5歳を過ぎたから、もう何をしても意味がない」

ということではありません。

大切なのは、7歳で気づいたのであれば7歳から、8歳で気づいたのであれば8歳から、その時点で残されている成長をできるだけ有効に使うことです。

「もう遅いかもしれない」と様子を見ることでさらに時間が経過してしまうよりも、まず現在の顎の成長や噛み合わせの状態を確認することが重要です。

7歳の反対咬合の症例

治療内容:上顎急速拡大装置と上顎前方牽引装置、リンガルアーチを使用

※装置装着時から最初の1ヶ月間はかみ合わせを一時的に上げるバイトアップを行った。

治療開始から3ヶ月

「装置の使用期間を延ばす」ことによる対処

5歳頃から治療を開始する比較的標準的なケースでは、急速拡大装置をおよそ1年程度使用することがあります。

しかし、7〜8歳から治療を開始する場合や、もともとの受け口の程度が大きい場合には、急速拡大装置を約1年半使用することもあります。

「どうして長く使用する必要があるのですか?」

というと、治療に利用できる上顎の成長期間が短くなっている分、ある程度時間をかけながら骨格に働きかける必要があるからです。

受け口の治療では、急速拡大装置だけではなく、上顎を前方へ誘導する上顎前方牽引装置を併用することがあります。

この上顎前方牽引装置は、口の中に装着した急速拡大装置を固定源としてゴムをかけ、上顎を前方へ引く力を加えていきます。

つまり、急速拡大装置を使用できる期間が長くなれば、その分、上顎前方牽引装置を使用して上顎を前方へ誘導できる期間も確保しやすくなります。

そのため、少し治療開始が遅れたケースでは、「強い力を一気にかける」のではなく、治療期間そのものを長く確保することで対応することがあります。

また、症例によっては、単純にネジを一方向へ巻くだけではなく、

広げる → 少し戻す → 再び広げる

といったように、拡大と縮小を組み合わせながら進める「アルトラメック」という方法を検討することもあります。

これは上顎の縫合部に繰り返し刺激を加え、上顎をより前方に牽引することを目的とした方法のひとつです。

ただし、すべてのお子さまにこの方法を行うわけではありません。骨格の状態、年齢、受け口の程度などを確認したうえで治療方法を判断します。

また、5歳頃から治療を開始していたとしても、もともとの骨格的な反対咬合が強い場合には、同様に装置を1年以上使用するケースがあります。

つまり、治療期間は「何歳から始めたか」だけで決まるのではなく、そのお子さまがどの程度上顎を成長させる必要があるのかによって変わります。

8歳以降になると「2つ目の装置」が必要になることがある

8歳頃を過ぎてから治療を開始する場合、受け口の程度によっては、1つの急速拡大装置だけでは十分な改善量を確保できないことがあります。

その場合には、最初の急速拡大装置で治療した後に、2つ目の急速拡大装置を製作して、さらに治療を続けることがあります。

もちろん、8歳になったら必ず2つ必要になるという意味ではありません。

1つの装置で十分に改善できるお子さまもいます。

しかし、5〜6歳の頃と比べると、年齢が上がるにつれて上顎の骨や縫合部は少しずつ成熟していきます。

そのため、同じように装置を使用しても、若い年齢ほどスムーズに骨格的な変化が得られないケースが出てきます。

結果として、

  • 装置の使用期間を延ばす
  • 2つ目の装置を使用する
  • 装置の調整方法を変更する
  • 歯の位置を細かく調整する治療を追加する

など、一期治療の中でも治療の手数が増えることがあります。

ここでお伝えしたいのは、

「8歳だから遅い」ということではなく、「8歳であれば、これ以上先送りにしないことが大切」ということです。

7〜8歳で受け口に気づいたのであれば、まだ成長を利用できる可能性があります。

「永久歯が全部生えてから考えよう」と数年間待つのではなく、その時点でどの程度骨格へのアプローチが可能なのかを確認しておくことで、選択できる治療方法が増える可能性があります。

急速拡大装置は低年齢のほうが効果的な理由

当院で使用する急速拡大装置は、患者さま自身で毎日取り外すタイプの装置ではありません。

歯にリングを装着して固定する固定式の装置です。

装置をしっかり固定することで、毎日一定の力を上顎に加えることができ、歯だけではなくあごの骨格に対して働きかけていきます。

一方で、固定式であるからこそ、装着してしばらくは圧迫感や違和感を感じることがあります。

当院で多くのお子さまを診ている臨床上の印象としても、年齢が低くあごの骨が柔らかい時期のほうが比較的装置への反応がよく、年齢が上がって顎の成長が終盤になるにつれて、ネジを巻いた際の圧迫感を強く感じるケースがあります。

もうひとつ重要なのが、「装置を固定する歯の問題」です。

5〜6歳頃は、急速拡大装置を固定するために使用できる乳歯が比較的しっかり残っている時期です。乳歯の奥歯(D、E)を使用することが、急速拡大装置で効果的に上あごを拡大できるというデータがあります。

ところが9〜10歳頃になると、乳歯から永久歯への生え変わりが進みます。ちょうど装置を固定したい位置の乳歯がグラグラしていたり、抜けかけていたり、永久歯がまだ完全に生えていなかったりすることがあります。

その結果、

「骨格的には装置を使用したいけれど、固定するために適した歯がない」

ということが起こる場合があります。

そのため、受け口の治療では単純に「骨が柔らかいから早いほうがよい」というだけではなく、装置を安定して固定できる歯が残っている時期に治療できるという点でも、早期治療にメリットがあります。

10歳〜中学生以降はどうなるか「Ⅰ期治療の限界とⅡ期治療への移行」

10歳以降も治療方法はある

「もう10歳なのですが、受け口の治療はできますか?」

「中学生になってから受け口が気になりました」

このようなご相談もあります。

10歳以降や中学生になると、5〜8歳頃のお子さまと比べて、治療の考え方が少しずつ変わってきます。

これは「受け口が治療できなくなる」という意味ではありません。

治療できる方法が、成長を利用する治療から、歯そのものを動かして噛み合わせを整える治療へ少しずつ移行していくということです。

小児矯正では、成長期のあごのずれなどを改善していく治療を「Ⅰ期治療」、永久歯が生えそろった後にマウスピース矯正やワイヤー矯正などで歯を並べていく治療を「Ⅱ期治療」と呼びます。

幼い時期であれば、上顎の縫合部がまだ成熟していないため、急速拡大装置などを使って骨格へアプローチしやすい傾向があります。

ところが成長とともに骨や縫合部は成熟していき、通常の歯を固定源とした急速拡大装置では、幼いお子さまと同じような骨格的効果を得にくくなるケースが増えてきます。

そのため10歳以降では、

「Ⅰ期治療だけでどこまで骨格を改善できるのか」
「Ⅱ期治療を中心に考えたほうがよいのか」

を、成長段階や永久歯への生え変わり、受け口の程度などから判断します。

必ず「10歳になったらⅠ期治療は終了」という明確な境界線があるわけではありません。

同じ10歳でも成長段階には個人差があるからです。

しかし年齢が上がるほど、治療の選択肢や目標設定が変わってくる可能性があることは知っておいていただきたいポイントです。

骨の成長が止まった後の受け口アプローチ

上顎の骨格的な成長を利用することが難しくなった中高生や成人では、治療の中心はマウスピース矯正やワイヤー矯正による歯列矯正になります。

例えばマウスピース矯正を使用し、

  • 奥歯の位置を調整する
  • 上下の歯列全体の位置関係を整える
  • 前歯に適切な角度をつける
  • 上下の噛み合わせを調整する

といった方法によって、反対咬合の改善を目指します。

比較的軽度〜中等度で、歯の位置を調整することで改善できる受け口であれば、こうした歯列矯正によって対応できるケースがあります。

ただし、子供の頃の治療とは目的が少し異なります。

成長期であれば、

「上顎そのものの成長を促す」という治療を考えることができます。

一方、骨格の成長がおおむね終了してからは、今ある骨格の中で歯をどのように動かして噛み合わせを整えるのかを考える必要があります。

そのため、骨格的な受け口が非常に強い場合や、上あごと下あごの位置関係に大きなずれがある場合には、歯列矯正だけでは十分な改善が難しいこともあります。

そのようなケースでは、顎の骨を手術で移動させる外科的矯正治療(外科矯正)が適応となることがあります。

大切なのは、

「中学生になったから治療できない」
「大人だから受け口は治せない」

ということではありません。

年齢や成長段階に合わせて、治療の方法を変更していくということです。

アンカースクリューを使った骨格に対するアプローチも選択肢に

「もう成長期の後半だから、顎を広げる治療はできないのでしょうか?」

というと、必ずしもそうではありません。

通常の急速拡大装置では十分な骨格的拡大が得にくい年齢になってきた場合には、症例によって矯正用アンカースクリューを利用した拡大方法(MSE:Maxillary Skeletal Expanderを検討できることがあります。

通常の急速拡大装置では、主に歯を固定源として力を加えます。

それに対して矯正用アンカースクリューを用いる方法では、上あごの骨に小さなスクリューを固定し、そのスクリューを固定源として拡大力を加えていきます。

そのため、永久歯列に近づき、通常の装置では骨格的な拡大が難しくなってきた症例でも、上顎の骨格へ直接力を伝えやすくなるという特徴があります。

矯正用アンカースクリューを固定する際には局所麻酔を使用して処置を行います。

装着後についても、歯だけに強い力を集中させる方法とは力のかかり方が異なるため、症例に応じてこうした方法を選択することで治療の可能性を広げることができます。

当院でも、矯正用アンカースクリューを用いた治療に対応した実績があります。

もちろん、すべての10代のお子さまに必要な方法ではありません。

通常の矯正治療で対応できる場合もあれば、矯正用アンカースクリューを用いたほうがよい場合、さらに骨格的な問題が大きければ将来的な外科矯正を検討したほうがよい場合もあります。

そのため、レントゲン写真や口腔内写真、歯並び、噛み合わせ、顎の成長状態などを総合的に確認したうえで治療方針を決定します。

「小さい頃から様子を見ていたら、もう10歳になってしまった」
「中学生まで受け口を放置してしまった」

という場合でも、諦める必要はありません。

5歳頃にしかできない治療がある一方で、7〜8歳には7〜8歳の治療方法があり、10代には10代に合わせた治療方法があります。

重要なのは、過ぎてしまった年齢を気にすることではなく、今のお子さまの成長段階で、どの治療が選択できるのかを確認することです。

「今からでは遅いかもしれない」とさらに数年様子を見るのではなく、一度現在の骨格や噛み合わせを確認することで、その時点でできる最善の方法を考えることができます。

>>受け口は早期治療がカギ|上あごの成長不足に対する拡大・前方牽引の効果とは

年齢別まとめ:受け口の矯正、何歳に何をすべきか

年齢に合った受け口治療

ここまで、子供の反対咬合(受け口)の治療について、年齢ごとの考え方や使用する装置について詳しく解説してきました。

「結局、うちの子は今何をすればいいの?」

と迷われる保護者の方も多いと思います。

受け口の治療は、年齢によってできることや治療の目的が少しずつ変わります。

ここでは、

  • 0歳〜4歳
  • 5歳〜9歳
  • 10歳以降

の3つの時期に分けて、それぞれの時期にどのような行動をとることが望ましいのかを整理します。

0歳〜4歳:まずは相談・生活習慣の見直しを

0歳〜4歳頃は、基本的には急速拡大装置や上顎前方牽引装置を使って本格的に骨格を動かしていく時期ではありません。

この時期に大切なのは、

「受け口だからすぐに装置を入れること」ではなく、まず現在の噛み合わせやあごの成長を確認しておくことです。

乳歯の時期には、一時的に前歯が反対に噛んでいるように見えても、成長や歯の生え変わりによって自然に改善していくケースがあります。

一方で、

  • 上あごが小さい
  • 下あごが前に出ている
  • 家族に受け口の方がいる
  • 噛むたびに下顎を前へ出している

など、将来的にも反対咬合が残る可能性が高いケースもあります。

見た目だけでこの違いを判断することは難しいため、受け口が気になった段階で一度歯科医院に相談しておくことをおすすめします。

また、この時期は歯並びだけではなく、日常生活の中に顎の成長へ影響する習慣がないかを確認することも大切です。

例えば、

  • 口呼吸になっていないか
  • 舌がいつも下に落ちていないか
  • 舌で前歯を押す癖がないか

といった点です。

口周りの筋肉や舌の使い方、姿勢などは顎の成長や歯並びと無関係ではありません。

この時期から悪い習慣に気づくことができれば、装置を使用する前に改善できることもあります。

当院では、受け口だけでなく、出っ歯や歯のガタガタ、噛み合わせなど、子供の歯並びについて0歳から相談を受け付けています。

「まだ小さいから相談しても意味がないかな」と思わず、気になることがあれば一度確認しておくことが大切です。

この時期のおすすめの行動は、

「まず一度診てもらい、必要であれば定期的に成長を確認していくこと」です。

5歳〜9歳:上顎の成長ピーク、始めるなら今

反対咬合の治療で、当院が特に大切だと考えているのが5歳〜9歳頃です。

この時期は、上顎の成長を矯正治療に利用しやすい大切な時期です。

受け口のお子さまでは、上顎の横幅が狭かったり、上顎の前方への成長が不足していたりすることがあります。

そこで必要に応じて、

急速拡大装置+上顎前方牽引装置 を組み合わせ、上顎を横方向へ広げながら前方へ成長する方向へ誘導していきます。

特に5歳頃からスタートできると、上あごが成長する期間を長く治療に使うことができます。

その結果、お子さまの状態によっては1つの急速拡大装置で必要な改善量を確保できる可能性が高くなります。

もちろん、5歳になれば必ず装置が必要というわけではありません。

反対咬合の原因や程度によっては経過観察となる場合もあります。

ただ、すでに受け口が気になっているのであれば、

「もう少し永久歯が生えてから」
「小学校高学年になってから」

と何年も待つことはおすすめできません。

受け口の場合は、ほかの歯並びの問題と比べても上あごの成長を利用できる時間が非常に重要だからです。

この時期のおすすめの行動は明確です。

受け口が気になっているのであれば、一度矯正相談を受ける。

5〜9歳は、「治療できるかどうかを考え始める時期」ではなく、必要なケースでは実際に治療をスタートすることを検討する時期と考えていただくとよいでしょう。

10歳以降:遅れたケースにも対応策がある

「受け口に気づいた時には、もう10歳でした」

「小学校高学年ですが、今から治療できますか?」

という相談もあります。

10歳だからといって、受け口の治療ができないわけではありません。成長の状態によっては、まだ一期治療として骨格へのアプローチを行える場合があります。ただし、5〜8歳頃と比較すると、上顎の骨や縫合部は少しずつ成熟していきます。

そのため同じ受け口でも、

  • 急速拡大装置を使用する期間が長くなる
  • 2つ目の装置が必要になる
  • 調整の回数が増える
  • 一期治療だけで改善できる範囲が限られる

といったケースが出てきます。

また、年齢とともに骨が成熟していくため、急速拡大装置のネジを巻いた際の感じ方にも個人差が出やすくなります。5〜6歳のお子さまでは比較的軽い圧迫感で進められていたケースでも、9〜12歳になると、同じ装置でも圧迫感を強く感じる場合があります。

さらに、この時期は乳歯から永久歯への生え変わりが進む時期でもあります。

急速拡大装置を固定したい乳歯が抜けかけていたり、永久歯がまだ十分に生えていなかったりすることで、装置の設計に工夫が必要になることもあります。

だからこそ、この年齢で大切なのは、

「もう遅いかもしれないから様子を見る」のではなく、「今できる治療があるかを早めに確認すること」です。

年齢だけを見て諦める必要はありません。

中学生以降になると、5〜8歳頃に行うような「顎の成長を積極的に利用する治療」から、少しずつ治療の中心が変わっていきます。

上顎の成長が落ち着いてくると、通常の急速拡大装置や上顎前方牽引装置だけで骨格そのものを大きく改善することが難しいケースが増えてきます。

そこで治療の中心は、

歯そのものを動かし、噛み合わせを改善する本格矯正

へ移っていきます。

例えば、

  • インビザラインなどのマウスピース矯正
  • ワイヤー矯正
  • 症例によって骨性アンカレッジを使用した治療

などを検討します。

マウスピース矯正では、奥歯や前歯の位置・角度を調整し、上下の歯列の関係を整えることで反対咬合の改善を目指します。

また、通常の歯を固定源とした拡大では十分な骨格的変化が得にくい場合には、症例によって矯正用のインプラントアンカーを利用する方法を検討できることもあります。

骨格的なずれが非常に大きく、歯列矯正のみでは改善が難しい場合には、将来的に外科矯正を検討することもあります。

また、10歳~中学生にかけて下あごが成長する期間のため、下あごの成長次第では、一旦成長が落ち着くまで経過観察していくことをおすすめすることもあります。

ただし、成長を利用できる期間は少しずつ短くなっていくため、気になっている場合はこれ以上先送りにせず、一度相談することをおすすめします。

>>「受け口が気になる」H.Sくん(9歳・男の子)の相談事例はこちら

まとめ:子供の反対咬合は「いつから」より「今すぐ相談」が大切な理由

気づいた今が相談のとき

子供の反対咬合について、

「矯正は何歳から始めるのがいいですか?」

と聞かれた場合、当院では5歳頃をひとつの理想的なスタート時期として考えています。

その理由は、受け口の治療では上顎の成長をできるだけ長く利用することが重要だからです。

特に5〜8歳頃は、上顎の成長を治療に活かしやすい時期です。

この時期から治療を始めることで、

  • 上顎の成長を長期間利用できる
  • 1つの装置で治療できる可能性が高くなる
  • 治療期間を短くできる可能性がある
  • 使用する装置や治療の手数を減らせる可能性がある
  • お子さまの負担を軽減できる可能性がある

といったメリットがあります。

ただし、この記事で最もお伝えしたいのは、

「5歳を過ぎたら遅い」ということではありません。

7歳で気づいたのであれば、7歳でできることがあります。

9歳で気づいたのであれば、9歳でできることがあります。

中学生になってからであっても、マウスピース矯正やワイヤー矯正、症例によっては骨性アンカレッジなど、その年齢に合わせた治療方法を検討することができます。

反対咬合で問題になるのは、

「何歳になってしまったか」以上に、「気づいてから何年もそのまま様子を見続けること」

です。

受け口の治療では、お子さまの年齢だけではなく、

  • 上顎と下顎の大きさ
  • 前後的な位置関係
  • 現在の成長段階
  • 乳歯と永久歯の生え変わり
  • 前歯の傾き
  • 受け口の程度
  • 今後どの程度の成長が期待できるか

などを確認したうえで治療のタイミングを判断します。

そのため、

「もう少し様子を見ても大丈夫なのか」
「今すぐ治療を始めたほうがよいのか」

は、実際にお口の中や顎の成長を確認してみなければ判断できません。

一度相談した結果、

「今はまだ治療を始めなくても大丈夫です」

となることもあります。

その場合も、適切な時期まで定期的に成長を確認しておけば、必要なタイミングを逃さず治療をスタートすることができます。

反対に、早めに治療を始めたほうがよい状態であれば、上顎の成長を利用できる大切な期間を無駄にせずに済みます。

だからこそ、子供の反対咬合では、

「何歳から矯正するべきか」と悩み続けるより、気づいた今の段階で一度相談してみることが最初の一歩です。

「下の前歯が前に出ている」

「噛んだ時に受け口になっている」

「家族に受け口の人がいるので将来が心配」

「以前から気になっていたけれど、いつ相談すればいいのかわからなかった」

という場合も、お気軽にご相談ください。

お子さまの歯並びや顎の成長、口呼吸やいびきなど、気になる点があれば、まずは一度ご相談ください。滋賀県高島市のたむら歯科・こども矯正歯科では、お子さまの成長に合わせた治療を一緒に考えていきます。

>>こどもの矯正(顎顔面矯正)について詳しくはこちら

【執筆・監修者】

たむら歯科・こども矯正歯科 院長 田村光正(歯科医師)

たむら歯科・こども矯正歯科 院長

田村 光正(歯科医師)

小児矯正・顎顔面矯正を専門とし、関西トップクラスのクリニックで延べ800名を超える顎顔面矯正患者を担当。現在も滋賀医科大学精神医学講座に籍を置き、睡眠と呼吸に関する研究を続けています。「将来の抜歯や手術のリスクを減らす」ことを目標に、原因からアプローチする小児矯正を提供しています。

  • 滋賀医科大学精神科 客員
  • 睡眠歯科学会会員
  • 顎咬合学会会員
  • 即時荷重研究会会員
  • 口育士

本記事は、たむら歯科・こども矯正歯科 院長・田村光正(歯科医師)が執筆・監修しています。記事の内容は診療ガイドラインや学会発表等をもとに作成していますが、症状や適切な治療方針には個人差があります。気になる症状がある場合は、自己判断せず歯科医院にご相談ください。

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