コラム
子供の前歯(永久歯)が斜めに生えてきたのは大丈夫?原因と様子を見てよいケース、相談の目安と治療

「生え変わったばかりの上の前歯が、斜めに生えてきた」「このまま様子を見ていれば、まっすぐになるのだろうか」「矯正が必要なのか、歯科医院に相談するほどのことなのか分からない」そのような疑問を持ちながら、歯科医院に相談するタイミングを迷っていませんか。

永久歯の前歯は、6歳前後から乳歯と生え変わり始めます。生え始めの前歯が少し斜めやハの字に見えるのは珍しいことではなく、あとから生えてくる歯に押されて並びが整っていくこともあります。一方で、永久歯が並ぶスペースが足りないために斜めに生えている場合は、自然にまっすぐになることは期待しにくくなります。どちらに当たるかは、見た目だけでは判断が難しいのが実情です。

本記事では、子供の前歯が斜めに生えてくる原因、様子を見てよい場合と歯科医院に相談したい場合の目安、そのままにした場合の影響、上あごを広げて歯が並ぶスペースを作る治療の考え方を解説します。滋賀県高島市のたむら歯科・こども矯正歯科院長の田村光正が、日々の診療と臨床経験をもとにお伝えします。

目次

子供の前歯が斜めに生えてきたとはどういった状態?

子供の前歯が斜めに生えてきたとはどういった状態?

生え変わりの時期に、保護者の方から「前歯が斜めに生えてきた」とご相談いただくことはよくあります。ただ、同じ「斜め」という言葉でも、実際にお口の中を拝見すると、前歯が左右に開いている、ねじれている、内側から生えている、隣の歯に重なっているなど、いくつかの生え方があります。

どの生え方なのかによって、考えられる原因や、様子を見てよいかどうかの見通しも変わってきます。ここでは、まず永久歯の前歯がいつ、どの順番で生えてくるのかをご説明し、次に「斜め」に見える前歯の生え方の種類をご紹介します。

永久歯の前歯はいつ、どの順番で生えてくる?

永久歯の前歯は、平均すると、下の真ん中の前歯が6歳ごろ、上の真ん中の前歯と下の前から2番目の歯が7歳ごろ、上の前から2番目の歯(側切歯)が8歳ごろに生えてきます。

これは、日本小児歯科学会が全国の4歳〜18歳のお子さま約3万人を対象に行った調査の結果です。この調査では、平均の萌出年齢(歯が生えてくる年齢)が次のように報告されています。

  • 男の子:下の真ん中の前歯 6歳3か月、上の真ん中の前歯 7歳2か月、下の前から2番目の歯 7歳3か月、上の前から2番目の歯 8歳4か月
  • 女の子:下の真ん中の前歯 6歳0か月、上の真ん中の前歯と下の前から2番目の歯 6歳11か月、上の前から2番目の歯 7歳11か月

つまり、永久歯の前歯は「下の前歯から先に生え、上の前から2番目の歯が最後」という順番で、小学校の低学年のうちに4本ずつ生えそろっていくのが一般的です。

ただし、これらはあくまで平均の年齢です。歯が生えてくる時期には個人差があります。また、同じ調査では、どの歯も女の子のほうが男の子より早く生える傾向があると報告されています。「同じクラスのお友だちはもう生えているのに」と比べて心配しすぎる必要はありません。

なお、前から2番目の歯の隣に並ぶ犬歯(糸切り歯)は、同じ調査で平均9歳半〜11歳ごろに生えるとされており、前歯よりもかなりあとに生えてきます。前歯が生えそろってから犬歯が生えるまでの数年間は、歯ぐきの中でまだ犬歯が育っている途中です。この時期ならではの前歯の見え方があることは、後ほど「自然に治る?」の見出しで詳しくご説明します。

「斜め」に見える前歯の生え方

保護者の方が「斜めに生えてきた」と表現される前歯の生え方は、主に次の4つです。お子さまのお口を鏡で見たり、正面や下から写真を撮ったりして、どれに近いかを確かめてみてください。

1つ目は、上の真ん中の前歯2本が「ハの字」に開いて生えている状態です。正面から見ると、2本の前歯の先(噛む側の端)が左右外側に向かって開き、歯ぐきに近い側が寄っているように見えます。2本の間には隙間があることが多く、すきっ歯のように見えることもあります。

2つ目は、前歯がねじれて生えている状態です。歯がその場で軸を中心に回転したように生えているため、正面から見ると、歯の表側の平らな面ではなく、側面の一部が見えていたり、隣の歯との境目が斜めに見えたりします。下から見上げると、歯の噛む側の端が歯並びの列に対して斜めの線になっているのが分かります。

3つ目は、前歯が乳歯の内側(裏側・舌の側)から生えてきて、歯並びの列から内側にずれている状態です。乳歯がまだ抜けていないうちに、乳歯の裏から永久歯が顔を出しているのを見て、驚かれる保護者の方も多くいらっしゃいます。乳歯が抜けたあとも、その歯だけが列から引っ込んで見えることがあります。

4つ目は、前歯が隣の歯に重なって生えている状態です。隣の歯の前、または後ろに一部が重なり、前歯の並びがガタガタして見えます。歯並びの用語では、こうした歯の重なりやガタつきを「叢生(そうせい)」と呼びます。

「斜め」に見える前歯の生え方

これらの生え方は、上の前歯だけでなく、下の前歯でも同じように見られます。特に下の前歯は、乳歯の内側から永久歯が生えてくることが多く、「下の前歯が二重に並んでいる」「下の前歯が斜めに生えてきた」というご相談もよくいただきます。下の前歯の考え方については、記事の後半のよくある質問でもお答えします。

なお、1本の歯に「ねじれながら内側から生えている」のように、いくつかの生え方が重なっていることもあります。どの生え方が、何によって起きているのかは、次の見出しで原因ごとにご説明します。

子供の前歯が斜めに生えてきたのはなぜ?主な3つの原因

子供の前歯が斜めに生えてきたのはなぜ?主な3つの原因

前歯が斜めに生えてきた原因は1つではなく、歯が並ぶスペースの不足、生え変わりがうまく進まないこと、お口の習慣などが重なっていることが多いです。ここでは、前歯が斜めに生えてくる主な3つの原因について、それぞれ、なぜ前歯が斜めになるのかという仕組みをご説明します。

どのようなときに歯科医院へ相談したほうがよいかは、後ほど「歯科医院に相談すべきタイミング」の見出しでまとめてご説明します。

上あごの横幅が足りず、前歯が並ぶスペースが不足している

前歯が斜めに生えてくる原因として多くみられるのが、歯が並ぶスペースの不足です。

永久歯の前歯は、それまで生えていた乳歯の前歯よりも大きな歯です。そのため、永久歯がきれいに並ぶには、乳歯のときよりも広いスペースが必要になります。本来は、お子さまの成長とともに上あごの横幅が広がり、大きな永久歯が並べるだけのスペースができていきます。しかし、上あごの横幅が十分に育っていないと、永久歯が並ぶためのスペースが足りなくなります。

スペースが足りないからといって、永久歯が生えてくるのをやめることはありません。

永久歯は、スペースがないからといって生えてこない、ということはなく、何とかしてスペースのある方向から生えてこようとします。その結果、本来まっすぐ突き上げてくるはずの永久歯が、隣の乳歯に引っかかり、内側から生えてくるような形になります。

つまり、永久歯は空いている方向を探しながら生えてくるため、本来の位置からずれて、斜め・内側・隣の歯に重なった生え方になるのです。

このことから、「顎が小さい」というより「歯が生え変わるスペースが狭い」という表現の方が正確かもしれません。歯科医院で「顎が小さい」と言われると、顎の骨そのものが生まれつき小さいように受け取られがちですが、問題になっているのは、永久歯が並ぶためのスペースが足りているかどうかという点です。

上あごが小さく、歯が並ぶスペースが狭いためにガタガタになってしまうお子さまは、当院でも少なくありません。

上あごが十分に育たない背景には、口呼吸や舌の位置、やわらかいものが中心の食生活などが関わっていると考えられています。

当院の相談事例でも、上あごが小さく、大人の歯が生えてくるスペースが少ないために、右上の前から2番目の歯が内側から生えてきた9歳のお子さまがいらっしゃいました。このお子さまは、下の歯も並ぶスペースが少なく、今後生え変わる大人の歯がきちんと並ぶためのスペースも十分ではない状態でした。

>>上あごが小さく、右上の前から2番目の歯が内側から生えてきた9歳のお子さまの相談事例について詳しくはこちら

乳歯が抜けずに残っている、過剰歯があるなど、生え変わりがうまく進んでいない

乳歯から永久歯への生え変わりがうまく進んでいないことも、前歯が斜めに生えてくる原因になります。

本来の生え変わりでは、永久歯が下から押し上げてくるにつれて乳歯の根が溶けていき、乳歯がぐらぐらして抜けたあとに、その場所へ永久歯が生えてきます。ところが、乳歯が抜けずに残っていると、永久歯は乳歯を避けるようにして、その内側から生えてきます。乳歯と永久歯が前後に2本並んで見える、いわゆる「二枚歯」と呼ばれる状態です。乳歯が抜けたあと、内側から生えた永久歯は舌に押されて少しずつ外側へ動いてくることがありますが、もともとスペースが足りない場合は、斜めや重なりが残りやすくなります。

また、歯ぐきの中に本来の本数より多い余分な歯(過剰歯)があると、永久歯の生える道をふさいでしまうことがあります。その結果、永久歯が斜めに生えたり、なかなか生えてこなかったり、上の真ん中の前歯の間に隙間ができたりすることがあります。

生え変わりがうまく進まない原因には、次のようなものがあります。

  • 過剰歯:余分な歯が、永久歯が生えてくる妨げになる
  • 先天性欠如(先天性欠損):生まれつき永久歯がない
  • アンキローシス:過去に歯をぶつけたことなどで、乳歯の根が骨とくっついてしまい、抜けにくくなる

これらはいずれも歯ぐきの中で起きていることなので、外から見ただけでは分かりません。前歯が斜めに生えてきた、乳歯がなかなか抜けない、といった目に見える変化の背景に、歯ぐきの中の問題が隠れていることがあります。

指しゃぶりや舌の癖、口呼吸などで、前歯にかかる力のバランスが崩れている

前歯の位置は、外側から押さえる唇や頬の力と、内側から押す舌の力がつり合うところで決まっていきます。お口の習慣によってこの力のバランスが崩れることも、前歯が斜めになる原因の一つです。

例えば、指しゃぶりを続けていると、指が前歯を内側から前へ押し出すため、上の前歯が前に傾くことがあります。また、指を吸うときの頬の力で上あごが両側から押され、上あごの横幅が育ちにくくなることもあります。

舌で前歯を内側から押す癖がある場合も、同じように前歯が前に傾いたり、前歯の間に隙間ができたりすることがあります。

口がぽかんと開いて口呼吸になっていると、唇で前歯を外側から押さえる力が弱くなります。さらに、口呼吸のお子さまは舌の位置が低くなりやすく、本来は舌が内側から支えている上あごが横に広がりにくくなることがあります。その結果、前歯が並ぶスペースの不足につながることもあります。

また、生え始めたばかりの前歯は、まだ根が十分にできておらず、位置が定まっていません。生えてきた前歯が気になって、指や舌で触ったり押したりする癖があると、その力が前歯の生える向きに影響することもあると考えられます。

指しゃぶりが歯並びに与える影響や、やめさせ方については、別のコラムで詳しくご説明しています。

>>指しゃぶりが歯並びに与える影響について詳しくはこちら

子供の前歯が斜めに生えてきたら、自然に治る?

子供の前歯が斜めに生えてきたら、自然に治る?

生え始めの前歯の斜めは、あとから生えてくる歯に押されて整っていくことがある一方で、スペースが足りずに斜めになっている場合は、自然にまっすぐになることは期待しにくいです。

どちらに当たるかは、見た目だけでは判断が難しいのが実情です。歯ぐきの中で次に生えてくる永久歯がどの位置にあるのか、永久歯が並ぶためのスペースがどのくらい足りているのかは、レントゲンで確かめて判断する必要があります。

ここでは、自然に整っていくことがある場合と、自然には治りにくい場合の2つに分けてご説明します。

生え始めの前歯が斜め・ハの字に見えるのは珍しくない(みにくいアヒルの子の時期)

上の前歯が生えてから、犬歯が生えそろうまでの間(12歳ごろまで続くことがあります)、上の真ん中の前歯の先が左右に開いてハの字になり、真ん中に隙間がある状態になることがあります。これは「みにくいアヒルの子の時期(アグリーダックリング・ステージ)」と呼ばれる、成長の途中で見られる一時的な状態です。生え変わりの途中の、一見すると整っていない歯並びが、成長とともに整っていく様子を、童話のみにくいアヒルの子にたとえた呼び名です。

この時期に前歯がハの字に開くのは、歯ぐきの中で起きていることが関係しています。上の前から2番目の歯(側切歯)の根の近くでは、まだ生えていない犬歯が育っています。この犬歯が側切歯の根を押すことで、側切歯や真ん中の前歯の根が中心に寄り、その分、歯の先が左右に開いてハの字に見えるのです。

その後、犬歯が歯ぐきから出てくるにつれて、犬歯が押す位置が側切歯の根から歯の頭の部分へ移り、前歯の先が中心に向かって押されるため、真ん中の隙間が閉じていくことが多いです。

生え始めの前歯が斜め・ハの字に見えるのは珍しくない(みにくいアヒルの子の時期)

前述のとおり、犬歯は平均9歳半〜11歳ごろに生えてきます。上の前歯が生えてくる7歳ごろから9歳ごろは、この時期に当たることが多く、前歯のハの字や隙間が、成長の過程で見られる一時的なものであることも少なくありません。

ただし、前歯が斜めに見えるのが、すべてこの時期の一時的なものとは限りません。次のような場合は、この時期の一時的なハの字とは区別して考えたほうがよいことがあります。

まず、今の時点で分かる目安として、次の2つがあります。

  • 前歯のうち1本だけが大きく傾いている、またはねじれている
  • 上唇小帯(上唇と歯ぐきをつなぐ、すじ状のひだ)が、上の真ん中の前歯の間まで伸びている

みにくいアヒルの子の時期のハの字は、左右の前歯が同じように開いて見えるのが特徴です。1本だけが大きく傾いている、ねじれている場合は、スペースの不足や、歯ぐきの中の過剰歯などが関わっていることがあります。また、上唇小帯が前歯の間まで伸びていると、前歯の間の隙間が閉じるのを妨げることがあります。

さらに、今後の目安として、犬歯が生えてきても前歯の間の隙間が閉じない場合も、ほかの原因を考えたほうがよいサインです。

過剰歯や上唇小帯が原因でできた隙間は、自然には閉じにくいことが多いです。前歯の隙間やハの字が気になる場合は、成長の途中の一時的なものかどうかを、一度歯科医院で確かめておくと安心です。

スペースが足りずに斜めになった前歯は、自然には治りにくい

一方で、永久歯が並ぶスペースが足りないために前歯が斜めに生えている場合は、成長を待っていても自然にまっすぐになることは期待しにくいです。

その理由は、上あごの成長の時期にあります。上あごが最も成長するのは5歳〜8歳ごろです。この時期に上あごの横幅が広がっていけば、永久歯が並ぶスペースも少しずつ生まれます。しかし、スペースの不足が大きい場合、その後の成長だけで前歯がきれいに並ぶだけのスペースができることは期待しにくくなります。

当院の相談事例集でも、上の前歯が内側に傾いて生えてきた9歳のお子さまの保護者の方から「成長とともに良くなる可能性はありますか」とご質問をいただきました。このお子さまについては、「自然に歯並びが改善する可能性はほとんどありません」とお伝えしています。その理由として、9歳の時点では上あごの成長がほぼ終了しており、自然に上あごの幅が広がって歯のスペースが増えることは期待しにくいことをご説明しました。

ただし、スペースが足りないことが、すべてのお子さまで治療の対象になるわけではありません。

歯が生えてくるスペースが不足していること自体は個性の範囲で、気にしなくてよいケースもあります。一方で、レントゲンで確かめたうえでスペース不足が見られれば、矯正治療をご提案することもあります。

スペースの不足がどの程度なのか、このあと生えてくる永久歯にどれくらい影響しそうなのかは、レントゲンで歯ぐきの中を確かめて判断します。そのうえで、必要な場合に矯正治療を考えていきます。

>>上の前歯が斜めに生えてきた9歳のお子さまの相談事例について詳しくはこちら

前歯が斜めに生えてきたとき、歯科医院に相談すべきタイミング

前歯が斜めに生えてきたとき、歯科医院に相談すべきタイミング

前歯が斜めに生えてきたときに、様子を見てよいかどうかは、最終的には歯科医院での検査で判断します。ただ、保護者の方がご家庭で気づける「早めに相談したい生え方」もあります。ここでは、早めに歯科医院へ相談したい3つの生え方をご紹介します。

なお、相談したほうがよいかどうかの判断は、すべてのお子さまで同じではありません。ここで挙げる生え方に当てはまっても、検査の結果、今は様子を見てよいと分かることもあります。「当てはまるかもしれない」と迷ったときに、相談するきっかけとしてお役立てください。

前歯が重なって生えている、隣の歯に乗り上げている

前歯同士が重なっている、隣の歯に乗り上げるように生えている、ねじれが大きい、といったときは、前歯が生えてきた段階ですでにスペースが足りていないサインであることが多いです。

前歯の段階ですでに重なりがある場合は、前歯だけでなく、お口全体でスペースが足りていないことがあります。上の真ん中の前歯が気になっている場合は、そのあとに生えてくる上の前から2番目の歯(側切歯)や、下の前歯にも、同じような重なりやガタつきがないかを見てみてください。

また、毎日の仕上げみがきも、重なりに気づくきっかけになります。前歯の一部に歯ブラシの毛先が当てにくい、歯と歯の間に汚れが残りやすいといった場所がある場合は、その部分で歯が重なっていることがあります。

斜めに生えた上の前歯が、下の前歯の内側に入って噛んでいる

本来、前歯は上の前歯が下の前歯の外側にかぶさるように噛み合います。ところが、斜めに生えた上の前歯の一部が、下の前歯よりも内側に入って噛んでいることがあります。前歯の一部が反対に噛んでいる状態で、交叉咬合(こうさこうごう)の一つです。

この状態では、噛むたびに上の前歯と下の前歯が引っかかり、下あごがずれる方向に力がかかります。その状態が続くと、顎の成長に影響することがあります。このため、上の前歯が下の前歯の内側に入って噛んでいることに気づいたら、早めにご相談ください。

なお、前歯全体が反対に噛んでいる状態は、受け口(反対咬合)と呼ばれます。斜めに生えた前歯の1本〜2本だけが内側に入って噛んでいる状態とは、範囲が異なります。お子さまに「イーッ」と歯を見せてもらい、上の前歯の中に、下の前歯より内側に入っている歯がないかを見てみてください。

交叉咬合と顎のずれについては、別のコラムで詳しくご説明しています。

>>前歯や奥歯の交叉咬合と顎のずれを防ぐ小児矯正について詳しくはこちら

乳歯が抜けないまま内側から生えてきた、生え変わりの左右差や順番が大きく違う

乳歯が抜けないまま永久歯が内側から生えてきた、片側だけ生え変わりが大きく遅れている、本来の順番と違う歯から生えてきた、といったときは、歯ぐきの中に原因があることがあります。

本来の生え変わりの順番と異なる場合、過剰歯や先天性欠損が疑われるきっかけになることがあります。例えば、反対側の同じ歯はすでに生え変わっているのに片側だけ乳歯が残っている(左右差が大きい場合)、本来はあとから生える歯が先に生えてきた(順番の違い)、といった場合です。

また、歯並びが気になっていなくても、生え変わりが遅いと感じたときにレントゲン検査を受けていただくと、矯正が必要かどうかにかかわらず、早いうちに問題に気づくことができます。生え変わりの順番や左右差の違和感が、気づくための大切な手がかりになります。

特に過剰歯は、お子さまのうちに早めに抜いて永久歯のスペースを確保しておくことで、将来的な治療費用を抑えられるケースもあります。

ただし、生え変わりに左右差があることそのものは、珍しいことではありません。生え変わりに左右差が出ることは、とてもよくあります。左右差があるだけで、心配しすぎる必要はありません。乳歯がなかなか抜けずに永久歯が内側から生えてきた、左右差が大きい、順番が明らかに違うといった場合に、一度ご相談ください。

前歯が斜めに生えてきたままにすると、どうなる?

前歯が斜めに生えてきたままにすると、どうなる?

前歯が斜めに生えてきた原因がスペース不足の場合、そのままにすると、あとから生えてくる歯のスペースがさらに足りなくなり、歯並びのガタガタが強くなることがあります。

前述のとおり、永久歯の前歯は数年かけて順番に生えてきます。さらにそのあとには、犬歯や奥の小臼歯も生えてきます。前歯の段階ですでにスペースが足りていない場合、あとから生えてくる上の前から2番目の歯や犬歯は、並ぶ場所がないまま生えてくることになります。その結果、犬歯が歯並びの列から外れて八重歯になったり、前歯の重なりが強くなったりしやすくなります。

歯の重なりは、見た目だけの問題ではありません。歯が重なっている部分は歯ブラシの毛先が届きにくく、汚れが残りやすくなります。そのため、むし歯や歯肉炎のリスクが高くなります。特に、生えてきた直後の永久歯はむし歯になりやすいため、注意が必要です。

また、前歯が斜めに生えて上下の前歯が正しく噛み合っていないと、前歯で食べ物を噛み切りにくくなることがあります。

さらに、上あごの成長が終わったあとは、上あごを広げてスペースを作ることが難しくなります。永久歯が生えそろってからの矯正治療では、歯が並ぶスペースを作るために、歯を抜く矯正治療(抜歯矯正)が必要になることがあります。

もちろん、前歯が斜めに生えてきたお子さまが、すべてこのようになるわけではありません。ただ、上あごの成長を利用してスペースを作れる時期は限られています。だからこそ、上あごが成長している時期に、スペースが足りているかどうかを一度確かめておくことが大切です。

前歯が斜めに生えてきた子供の治療(上あごを広げてスペースを作る考え方)

前歯が斜めに生えてきた子供の治療(上あごを広げてスペースを作る考え方)

前歯が斜めに生えてきたときの治療は、その原因によって変わります。

乳歯が抜けずに残っていることや、過剰歯が原因になっている場合は、その歯を抜いて、永久歯が生えてくる道を空けることがあります。指しゃぶりや舌の癖、口呼吸が関わっている場合は、プレオルソ(マウスピース型の装置)や、MFT(舌や唇の使い方を整えるトレーニング)を組み合わせることがあります。

そのうえで、原因が永久歯の並ぶスペースの不足である場合、たむら歯科・こども矯正歯科では、斜めになった前歯だけを動かすのではなく、上あごを広げて歯が並ぶスペースを作ることを優先しています。成長期のお子さまだからこそできる、骨格にもアプローチする治療です。

ここでは、スペースから整える考え方、上あごを広げるために使う装置、9歳以降の場合の治療、費用と期間の目安をご説明します。なお、治療の結果はお子さまの成長や状態によって異なり、すべてのお子さまで同じように歯が並ぶわけではありません。どのような変化を目指せるかは、検査の結果をもとにご説明します。

斜めの前歯だけでなく、歯が並ぶスペースから整える

前述のとおり、スペースの不足はあとから生えてくる歯にも影響するため、斜めの前歯だけを並べても解決しにくいです。今見えている前歯を並べることができても、上あごの横幅が足りないままでは、そのあとに生えてくる歯が並ぶ場所がありません。

そこで当院では、上あごの成長を利用して横幅を広げ、永久歯が並ぶためのスペースを作ることを大切にしています。上あごが最も成長する時期に治療を始めると、その成長の力を利用して上あごを広げやすくなります。永久歯が生えそろってから歯だけを動かす治療とは異なり、歯が並ぶ土台であるスペースそのものを作っていく考え方です。

治療を始める時期について、当院では次のように考えています。

早くからご相談いただいた方が仕上がりがきれいで、使う装置の数や手数が少なくなります。最終的には、お子さまの負担や痛みの軽減につながります。

早い時期に始めるほど、上あごの成長を活かしやすく、使う装置が少なく済むことが期待されます。前歯が斜めに生えてきたことに気づいたときが、上あごの状態を確かめるよいきっかけになります。

また、前歯の重なりなどが軽度で、いくつかの条件がそろっているケースでは、上あごを広げる装置を使わず、プレオルソだけで対応することもあります。どの方法が合っているかは、お子さまの歯並びや上あごの状態、癖の有無などを検査で確かめたうえで判断します。

実際の相談の様子は、記事の前半でご紹介した2つの相談事例でご覧いただけます。上あごを広げる装置にはいくつかの種類があり、それぞれの特徴は別のコラムで詳しくご説明しています。

>>顎が小さい子供の歯並びと、顎を広げる矯正について詳しくはこちら

急速拡大装置(固定式)で上あごの横幅を広げる

当院で上あごの横幅を広げる治療の中心にしているのが、急速拡大装置です。上あごの内側(上の歯の裏側)に入る装置で、奥歯に固定して使います。取り外しができない固定式の装置であることにも大きな意味がありますが、その利点については、後ほど詳しくご説明します。

急速拡大装置は、上あごの真ん中にある骨のつなぎ目に働きかけ、上あごを横方向に広げていきます。装置は上あごの内側にあるため、口を開けて笑ったときにも、外から見て目立ちにくいのが特徴です。また、当院では口腔内スキャナーを導入しており、装置によっては粘土のような型取りの材料を使わずに、お口の中をスキャンするだけで装置を作製できます。嘔吐反射が強いお子さまでも、型取りの負担を減らせる場合があります。

一方で、急速拡大装置には主なリスク・負担もあります。装置を入れた直後は、少し食べづらさや話しづらさを感じることがあります。これは装置に慣れるまでの一時的なもので、ほとんどのお子さまは自然に慣れていきます。また、上あごを広げている時期には、歯が押されるような感じがすることがあります。また、装置のまわりは汚れが残りやすいため、仕上げみがきを丁寧に行わないと、むし歯や歯ぐきの炎症のリスクが高くなります。

上あごだけを広げていくと、下の歯並びとの噛み合わせが合わなくなることがあります。そのため、下あごには必要に応じてリンガルアーチという装置を使い、上下の噛み合わせを保ちながら進めていきます。

1日1回、寝る前に保護者の方がネジを巻いて広げる

急速拡大装置の真ん中にはネジがついており、1日1回、寝る前に保護者の方がこのネジを巻いて、少しずつ上あごを広げていきます。

ネジを1回巻くと、装置は0.2mm広がります。1つの装置で広げられるのは最大12mmです。

ただし、一度に最大まで続けて広げるわけではありません。一気に全部巻いてしまうと、広がりすぎて噛み合わせがなくなったり、歯が骨から外れる方向に動いてしまったりすることがあります。そこで当院では、「最初4週間巻いて、4か月後に2週間〜3週間、その2か月後に2週間〜3週間」というように、間を空けながら少しずつ広げています。

広げたあとは、骨が固まるまで装置をそのまま使う

上あごを広げたあと、間もなく装置を外してしまうと、広げた上あごが元に戻ってしまいます。そのため、広げてから3か月は装置をそのままつけておき、広げた部分の骨が固まるのを待ちます。

巻く期間と、骨が固まるのを待つ期間を合わせると、急速拡大装置を使う期間は、おおむね10か月〜1年になります。状態によっては、装置を長めにつけたり、2つ目の装置を使ったりすることもあります。

なお、急速拡大装置を外したあとも、歯並びやお口の機能を整える治療が続くことがあります。こども矯正全体の期間については、後ほど「こども矯正の費用と治療期間の目安」でご説明します。

9歳以降・永久歯が生えそろってきた場合の治療

前歯が斜めに生えてきたことに気づいたときには、すでに9歳を過ぎていた、ということもあるかと思います。9歳ごろは、成長によって上あごが自然に広がることは期待しにくい一方で、上あごの真ん中の骨のつなぎ目がまだくっついていなければ、装置で上あごを広げることはできます。当院の相談事例集でも、9歳のお子さまの保護者の方に「9歳は、まだ間に合う大事な時期」とお伝えしています。

一方で、9歳〜10歳になると、急速拡大装置を固定する歯(乳歯の奥歯)が生え変わりの時期に入り、装置を使えないことがあります。また、生え変わりが早いお子さまでは、装置をつける乳歯が先に抜けてしまい、装置をつけられないこともあります。

上あごの骨のつなぎ目がくっつき始めている場合には、装置にインプラントアンカー(骨に固定する小さなネジ)を併用して、上あごを広げる方法もあります。インプラントアンカーを入れるときは麻酔をするため、つけている間の痛みは大きくないことが多いです。

永久歯がほぼ生えそろってくる中学生ごろからは、永久歯の歯並びを整える二期治療(マウスピース矯正など)に移ることが目安になります。

年齢ごとに選べる治療は、別のコラムで詳しくご説明しています。

>>年齢別の子供の矯正治療の選び方について詳しくはこちら

こども矯正の費用と治療期間の目安

上あごを広げるこども矯正は、保険が適用されない自由診療です。当院の費用は次のとおりです(すべて税込)。

  • 歯並び相談:無料
  • 精密検査:22,000円
  • 診査・診断:33,000円
  • こども矯正:407,000円(難症例は+110,000円)

治療期間について、当院の相談事例集では、装置を使う期間が約2年〜3年になることが多く、その後、永久歯への生え変わりを見ていく期間がさらに1年〜2年ほど必要になるとご説明しています。装置を使う期間には、前述の急速拡大装置で上あごを広げる期間(おおむね10か月〜1年)のほか、その後にお口まわりの癖や機能を整えていく期間も含まれます。

費用と期間は、お子さまの歯並びや上あごの状態、治療を始める年齢によって変わります。お子さまの場合にどのくらいかかるかは、検査のあとにご説明します。治療に伴う主なリスク・負担は、前述の急速拡大装置の見出しでご説明したとおりです。また、治療後に歯並びが戻ろうとする(後戻り)ことがあるため、経過を見ていく期間を設けています。

前歯が斜めに生えてきた子供の矯正相談で、たむら歯科・こども矯正歯科が大切にしていること

前歯が斜めに生えてきた子供の矯正相談で、たむら歯科・こども矯正歯科が大切にしていること

前歯の生え方が気になったとき、どのような歯科医院に相談するかは、保護者の方にとって大切なポイントです。ここでは、前歯が斜めに生えてきたお子さまのご相談に対して、当院がどのような考えで、どのような体制で治療を進めているかをご紹介します。

口腔外科で顎の手術に携わった院長が、成長期のうちに整えることを大切にしている

院長の田村は、滋賀医科大学の歯科口腔外科学講座に在籍していたころ、顎変形症(あごの骨の大きさや位置のずれによって、噛み合わせや顔立ちに影響が出る状態)の患者さまの手術で、入院管理や手術アシスタントを担当してきました。

大人になってから手術で顎のずれを治そうとすると、手術の前後の矯正治療や入院が必要になり、体への負担が大きくなります。その負担の大きさを間近で見てきたからこそ、お子さまのうちに予防できれば患者さまにとってどれほどよいことかと考えるようになりました。

そのため当院では、上あごが成長している時期に、歯並びだけでなく骨格にもアプローチする顎顔面矯正に力を入れています。院長は前職でも顎顔面矯正に取り組み、延べ800人を超える顎顔面矯正の患者さまを担当してきました。その経験をもとに、お子さま一人ひとりの成長に合わせた治療計画をご提案しています。

約2か月に1回の通院で、習い事や学校生活と両立しやすい

小児矯正では、使う装置によって多少異なりますが、一般的には1か月に1回程度の通院が必要とされています。

ただ、最近のお子さまは、習い事や塾、部活動などでスケジュールが忙しく、毎月の通院が負担になるご家庭も少なくありません。そこで当院では、治療の質を保ちながら、約2か月に1回の通院で治療を進められるよう工夫しています。

また、顎顔面矯正やプレオルソを用いた小児矯正では、スポーツの制限は特に必要ありません。食事についても、避けなければならない特別な制限はなく、これまでどおりの食事を続けていただけます。ただし、固定式の装置を入れた直後は、少し食べづらさや話しづらさを感じることがあります。

当院には、高島市内だけでなく、滋賀県内の他の地域や福井県南部から通われている方もいらっしゃいます。通院の回数を抑えられることは、遠方から通われるご家庭にとっても、続けやすさにつながります。

取り外せない固定式の装置で、お子さまの協力度に左右されにくい

取り外し式の矯正装置は、決められた時間つけていないと、期待した効果が得られにくくなります。「装置をつけるのを嫌がる」「外したまま忘れてしまう」といったことがあると、治療が計画どおりに進みにくくなります。

当院で使う急速拡大装置は、歯に固定するため、お子さまが自分で取り外すことができません。そのため、お子さまが毎日装置をつけてくれるかどうかに左右されにくく、計画どおりに治療を進めやすいのが特徴です。保護者の方が毎日「装置をつけなさい」と声をかける負担も少なくなります。

装置に慣れるまでのことを心配される保護者の方もいらっしゃいますが、当院の相談事例集でもご紹介しているとおり、これまで「慣れなくて続けられない」という理由で装置を外すことになったケースは一人もいません。もちろん、慣れるまでの期間や感じ方には個人差があるため、気になることがあれば治療中もいつでもご相談ください。

以前、取り外し式の装置を使ってみたものの続かなかった、という経験がある保護者の方は、次のコラムも参考になさってください。

>>小児矯正の装置をつけてくれないときの固定式という選択肢について詳しくはこちら

必要に応じてレントゲンで歯ぐきの中まで確かめ、様子を見るか治療を考えるかをご説明する

前歯が斜めに生えてきた原因のうち、過剰歯や先天性欠如、乳歯の根が骨とくっついて抜けにくくなるアンキローシスなどは、歯ぐきの中で起きていることなので、見た目だけでは分かりません。これらの原因の多くは、パノラマレントゲンで確かめることができます。パノラマレントゲンは、歯と顎全体を1枚に写すレントゲンで、まだ生えていない永久歯の位置や本数、過剰歯の有無などを確かめられます。

また、永久歯が並ぶスペースがどのくらい足りないのかは、精密検査で上あごの幅を確かめて判断します。

当院での歯並び相談から治療までの流れは、次のとおりです。

  • 1回目(歯並び相談・無料):お悩みやご希望を伺い、現在の歯並びや噛み合わせの状態を確認します。必要に応じて写真撮影や簡易的なチェックも行います。
  • 2回目(矯正検査):精密なレントゲン撮影や歯型の採取、写真撮影を行います。当院では、頭部のレントゲンから顎の骨格を分析するセファロ(頭部X線規格写真)、骨格を三次元で確認できるCT、お口の中を立体的に記録する口腔内スキャナーを用いて、上あごの幅や骨格を診断します。
  • 3回目(検査結果のご説明):検査結果をもとに、治療の必要性、開始時期、治療方法や費用についてご説明します。

前歯が斜めに生えてきたとき、「様子を見ていてよいのか、今のうちに何かしたほうがよいのか」と迷われる保護者の方は少なくありません。当院では、必要に応じてレントゲンで歯ぐきの中まで確かめ、見た目ではなく検査の結果をもとに、様子を見てよいものか、早めに対応したほうがよいものかをご説明します。検査の結果、今は治療の必要がないと分かることもあります。その場合も、次に歯並びを確かめる時期や、ご家庭で気をつけたい点をお伝えします。

子供の前歯が斜めに生えてきたときによくある質問

子供の前歯が斜めに生えてきたときによくある質問

最後に、前歯が斜めに生えてきたことについて、保護者の方からよくいただくご質問にお答えします。

下の前歯が斜めに生えてきた場合も、上の前歯と同じように考えてよい?

永久歯が並ぶスペースが足りているかどうかで見通しが変わる点は、上の前歯と同じです。ただし下の前歯には、下の真ん中の前歯が永久歯の中で最初に生えてくることが多い歯であること、乳歯の内側から生えてくることが多いこと、という特徴があります。

前述のとおり、下の真ん中の前歯は6歳ごろに生えてきます。このとき、乳歯の内側から永久歯が顔を出し、乳歯と永久歯が前後に2列に並んだように見えることがよくあります。乳歯が抜けたあとに、内側から生えた永久歯が舌に押されて少しずつ前に出てくることがあるのは、上の前歯の二枚歯と同じです。

また、下の前歯の軽い重なりは、成長とともに改善していく傾向があることが報告されています。下の前歯の重なりが、乳歯と永久歯が混ざっている時期から永久歯が生えそろう時期までにどう変わるかを、経過を追って調べた5件の観察研究(243人)をまとめた報告では、この時期に歯列の幅が広がることなどによって、下の前歯の重なりが自然に改善していく傾向があったとされています。根拠の確かさは中程度とされていますが、この報告では、軽度から中等度に近い重なりであれば、治療を急がずに経過を見ることを検討してよいと考えられています。

つまり、下の前歯が少し重なって生えてきた程度であれば、成長とともに整っていくこともある、ということです。ただし、これは下の前歯についての報告で、上の前歯にもそのまま当てはまるわけではありません。

一方で、乳歯がいつまでも抜けずに残っている場合や、下の前歯の重なりが強い場合は、スペースの不足や歯ぐきの中の問題が関わっていることがあります。そのような場合は、一度歯科医院にご相談ください。

前歯が斜めに生えてきたのは、自力で治せる?

ご家庭で前歯を指で押して、まっすぐにしようとするのはおすすめできません。力の加減や押す向きを誤ると、歯や歯ぐきを傷めたり、別の向きに傾いたりすることがあります。また、前歯が斜めになっている原因がスペースの不足や歯ぐきの中の問題である場合は、前歯を押しても原因は解決しません。

ご家庭でできることとしては、次のようなことがあります。

  • 指や舌で前歯を触ったり押したりする癖がないか気をつける
  • 歯が重なっている部分は汚れが残りやすいため、デンタルフロスなども使って丁寧に仕上げみがきをする
  • 口がぽかんと開いていないか、寝ているときにいびきをかいていないかを見ておく
  • 前歯の生え方の変化を写真に残しておく

口がぽかんと開いている、いびきがあるといった様子は、上あごの成長や呼吸とも関わることがあり、成長期の大切なチェックポイントです。また、前歯の生え方を定期的に写真に残しておくと、歯科医院に相談するときに、どのように変化してきたのかを伝えやすくなります。

まとめ:子供の前歯が斜めに生えてきたら、たむら歯科・こども矯正歯科にお気軽にご相談ください

まとめ:子供の前歯が斜めに生えてきたら、たむら歯科・こども矯正歯科にお気軽にご相談ください

生え始めの前歯が斜めやハの字に見えるのは、成長の途中で見られることがあり、あとから生えてくる歯に押されて整っていくこともあります。一方で、永久歯が並ぶスペースが足りずに斜めになっている場合は、自然には治りにくいです。どちらに当たるかは、見た目だけでは判断が難しいのが実情です。

上あごが成長している5歳〜8歳ごろに一度確かめておくと、上あごを広げて歯が並ぶスペースを作る治療を選びやすくなります。9歳以降でも、上あごを広げられる時期が残っている場合があります。

たむら歯科・こども矯正歯科では、お悩みを伺い、必要に応じてレントゲンで歯ぐきの中の永久歯の状態まで確かめたうえで、様子を見てよいか、治療を考えたほうがよいかをご説明しています。ご相談いただいたからといって、治療を始めなければならないわけではありません。「今は見守ってよい」と分かることも、保護者の方の安心につながります。

お子さまの前歯の生え方が気になったときは、まずはご相談ください。

>>たむら歯科・こども矯正歯科のこども矯正(顎顔面矯正)について詳しくはこちら

【執筆・監修者】

たむら歯科・こども矯正歯科 院長 田村光正(歯科医師)

たむら歯科・こども矯正歯科 院長

田村 光正(歯科医師)

小児矯正・顎顔面矯正を専門とし、関西トップクラスのクリニックで延べ800名を超える顎顔面矯正患者を担当。現在も滋賀医科大学精神医学講座に籍を置き、睡眠と呼吸に関する研究を続けています。「将来の抜歯や手術のリスクを減らす」ことを目標に、原因からアプローチする小児矯正を提供しています。

  • 滋賀医科大学精神科 客員
  • 睡眠歯科学会会員
  • 顎咬合学会会員
  • 即時荷重研究会会員
  • 口育士

本記事は、たむら歯科・こども矯正歯科 院長・田村光正(歯科医師)が執筆・監修しています。記事の内容は診療ガイドラインや学会発表等をもとに作成していますが、症状や適切な治療方針には個人差があります。気になる症状がある場合は、自己判断せず歯科医院にご相談ください。

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